四条・南座に「まねき」が上がって、顔見世興行がはじまると、京の街は一気に師走の情景へと移っていきます。今年の顔見世興行も、11月30日から12月26日まで。今年は南座新装開場20周年記念として、東西合同大歌舞伎、と銘打って行われます。
「まねき上げ」は江戸時代から続く行事で、京の初冬の風物詩となっています。南座の正面には、絵看板や松飾りが飾られ、顔見世興行を行う役者の名や口上を記した「まねき」看板計54枚が掲げられました。行き交う人もしばし足を止め、師走の風情を楽しみます。
12月13日は事始めです。(今年は火曜日ですね)「事始め」とは、お稽古事のお師匠さんの家に、鏡餅を据えに行く行事。祇園では、舞妓さんや芸妓さんが、古門前通縄手(ふるもんぜんどおりなわて)東の井上流のお師匠さん、井上八千代さん宅を訪れて、芸の上達のために扇をいただいて帰る、といった情景が、よくテレビで取り上げられています。日頃、お世話になった家やお得意さんに、お歳暮を配り始めるのもこの時期からといわれています。
田畑に関する作業に関する事始めとはちょっと時期が違いますね。農耕作業にとって12月8日は「事納め」といい、事、つまり田畑に関する作業は、今年はこの日までに終わるべき日とされていました。逆に、農作業の「事始め」は2月8日。田畑に関する作業をこの日から始める日、とされているそうです。自然相手ですから、花街とは少し遅れるのですね。
この時期を迎えますと、京のおんな達は忙しく立ち働きます。お正月を清々しく迎えるため、囲炉裏のある各家々では、家中総出で煤掃き(すすはき)をしなくてはなりません。新しい家やマンションが増えた今では、年末の大
掃除も様変わりしてはきましたが、昔ながらの町家では、煤掃きも大切な行事です。祖霊の命日の日は避け、各自真新しいわらじを履いて
掃除し、終わると神前に魚や神酒などを供えてお灯明をあげ、拝礼します。
さて、私たちも年越しの支度をしないといけません。先生でなくても走りたくなる、あわただしい季節ですね。