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インフルエンザ脳症と子供と解熱剤[2007年01月24日(水)]
新聞やTVで耳にしたことがある

「インフルエンザ脳症」

実は「インフルエンザ脳症」といった病名は存在しません。

そしてインフルエンザによる脳症が問題になっているのは
今や日本だけなのです。

(最後に子供さんへの解熱剤を使うタイミングを載せました。
よろしければ参考にして下さいね)



インフルエンザに感染した子供が急激に意識障害などを起こし
死亡率が高く、重い後遺症を残す場合も多い・・・

そもそもこれは「急性脳症」という病気です。

7歳未満、特に2〜3歳に多い病気で原因は不明ですが
少し風邪気味かな?と思ってるうちに突然、高熱を出して
ぐったりし、うとうとしたり錯乱状態や痙攣状態となり、
呼吸の異常も伴う事も多く、救命が難しい、と言われています。

この「急性脳症」
「上気道感染症(インフルエンザ、咽頭炎など)」
の後に起こった時は「ライ症候群」という病名になります。

この「ライ症候群」がインフルエンザの時にだけ
「インフルエンザ脳症」
という言葉が使われているのです。
(国民にインフルエンザに対する恐怖心を植え付けるため?という説も)

「ライ症候群」の原因は、アスピリン系の解熱剤服用との
因果関係が指摘されていますが、詳細原因は未だ不明です。


約20年前に米国では
アスピリン系の解熱剤を水痘やインフルエンザに使用すると
「ライ症候群」になりやすい
という警告がなされ、
その後アスピリンを小児に使わないようになり
発症者が激減しています。

なのでアスピリン類は
15歳以下の小児のインフルエンザ、水痘などのウイルス疾患には
禁忌(投与しないこと)
になっています。


米国や欧州では小児の解熱剤として
アスピリンしか投与が認められていませんでした。
だから「ライ症候群」の発症も多かったけど、
アスピリンを使わないようにする事で激減もしました。

けど日本では、アスピリンよりも強力な
「非ステロイド系の解熱消炎鎮痛剤」
が使われるようになったのです。

なぜ諸外国では症例のなくなった
インフルエンザ脳症(正確には「解熱剤脳症?」)
が日本で猛威を振るったのか・・・

効き目の強い薬を使う医療者側の考えと、
強力で速やかな効果を求める患者側の考えとの
間で起こった悲劇だったのだと思います。



今現在、
インフルエンザ時の非ステロイド系解熱消炎鎮痛剤の使用は
薬によっては禁止、もしくは厳重注意になっています。

そして比較的安全だと言われる
「アセトアミノフェン」という解熱剤が
望ましいと言われております。

以前に風邪等で病院にかかり、熱が出た時にもらった解熱剤を
インフルエンザの時に安易に使うのは危険です。

またそういった薬を他人に渡したり、
もらったりすることは避けてください。

必ず医師か薬剤師に尋ねてから使用してくださいね。



ちなみに日本で汎用されている
非ステロイド系の解熱消炎鎮痛剤の製品名は・・・
()内は成分名

ボルタレン(ジクロフェナクナトリウム)
ロキソニン(ロキソプロフェンナトリウム)
ポンタール(メフェナム酸)
バファリン(アスピリン=アセチルサリチル酸)
医療機関の小児用バファリン(アスピリン)などです。
(→現在は小児用という表記がなくなってバファリン81mg錠)

内服剤、坐剤とも同じです。

一般の薬局で売っている小児用バファリンは
「アセトアミノフェン」です。
同じ製品名でも医療用と一般販売用では成分が違いますので混同しないでくださいね。
アセトアミノフェンの製品名は
「カロナール」「アルピニー」「アンヒバ」「ナパ」などです。




最後に余談ですが。
子供に解熱剤を使うタイミングは難しいと思います。

本来、体に熱が出る事は、
体内にいる細菌やウィルスを退治しようとする防御反応なので
熱が出たからといってむやみに薬で下げない方が好ましいです。

解熱剤で熱を下げることが、
発熱の原因の病気を治すことにはなりません。

その子の平熱にもよりますが
目安として38.5度を超えたとき、
食欲がなくて、ぐったりしてて、眠れない。
こういった時は逆に体力が落ちてしまい、
治る病気も治りませんので解熱剤を使っていいかと思います。

38.5度を超えてても、元気で、食欲があって、
ちゃんと眠れてるようなら解熱剤は必要ありません。

寒がるようなら部屋の温度を上げて毛布などで暖める。
冷○ピタなんかは貼っちゃダメですよ。余計に寒気がひどくなります

逆に暑がるようなら、濡れタオルや冷○ピタなどで冷やしてあげてください。
汗をかいたらこまめに着替えさせてくださいね。


あとはとにかく安静。
解熱剤を使って熱が下がると、ウロウロと動き出す子供さんが多いですよね。
だったら無理に熱を下げずに寝込ませておく方が、
動けない分(安静だし)治りが早いですよ!



以上、長くなりましたが
最後まで読んで下さった方、ありがとうございました

何か分からない事があれば気軽にお尋ね下さい。
答えられる範囲内でお答えしたいと思います
Posted at 11:39 | 薬や病気の話 | この記事のURL
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