今月の腫瘍学の専門ジャーナル(電子版)に、ビタミン・ミネラルサプリメントの摂取と、頭頚部がんリスクとの関連を調べた調査研究が、フランスのグループから報告されていました。
(
Int J Cancer. 2011 Dec 15.)
ビタミン・ミネラルサプリメントは、ベーシックサプリメントとして年齢・性別に関係なく、広く摂取が推奨されます。
さて、今回の研究では、ビタミンあるいはミネラルのサプリメント摂取と、頭頸部がんリスクとの関連が調べられました。
具体的には、12報の症例対照研究から、頭頸部がん7,002名、正常対照者8,383名を対象に、
ビタミン類、マルチビタミン、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、カルシウム、βカロテン、鉄、セレン、亜鉛のサプリメント摂取が検証されています。
(INHANCE consortium)
頭頸部がんの内訳は、口腔がん2,028名、咽頭がん2,465名、口腔/咽頭がん全般874名、喉頭がん1,329名、多重頭頚部がん306名です。
年齢や性別、人種、教育水準、喫煙、飲酒、野菜・果物の摂取などについて補正後、解析が行われた結果、
ビタミンCサプリメントの利用者では、頭頚部がんのリスクが24%低下していました。
(OR=0.76, 95% CI=0.59-0.96)
また、カルシウムサプリメントの利用者では、36%リスク低下が示されています。
(OR=0.64, 95% CI=0.42-0.97)
さらに、
ビタミンCサプリメントを10年以上、利用していた群では、頭頸部がんリスクが28%低下(OR=0.72, 95% CI=0.54-0.97)、
カルシウムサプリメントの累積摂取量が365錠以上の群では、74%リスク低下(OR=0.36, 95% CI=0.16-0.83)
という関連が見出されています。
しかし、どのサプリメントについても、摂取頻度と摂取期間について、リスク低下と線形の関連は示されませんでした。
論文著者らは、ビタミン・ミネラルサプリメントの摂取と、頭頸部がんリスクとの間に、強い相関は観察されなかった、と考察しています。
今回のデータからは、ビタミンCおよびカルシウムサプリメントの摂取と、頭頸部がんリスクの低下には有意な相関が認められています。
考察の表現が結果と異なるのは、ジャーナルのエディターによる恣意的な変更があったのかもしれません。
(症例対照研究データのみでは、サプリメントの摂取でがんが予防できる、という因果関係までの言及は難しいですので。)
これまでのデータを俯瞰的にみるとき、病気の一次予防や二次予防において、マルチビタミンやマルチミネラルは、基本のサプリメントとして推奨できます。
医療専門誌によるマルチビタミン摂取の推奨論文としては、次の2つがよく知られています。
(1)NEJM誌(1998)の論説
「Eat Right and Take a Multivitamin」
『適切な食事を摂り、マルチビタミンも利用しましょう』
(神経管欠損症予防、動脈硬化性疾患予防の意義)
(Oakely GP. NEJM. 1998 Editorial )
(2)JAMA誌(2002)の総説
「Vitamins for chronic disease prevention in adults」
『成人は、毎日、マルチビタミンサプリメントを摂取するべき』
(先進国では欠乏症は稀であるが、至適濃度を下回ることのリスクがある。)
(Fletcher.et al. JAMA. 2002 )
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