今日,学会の事務局で3月に開催するシンポジウムについての打ち合わせがありました。
その打ち合わせの合間に,事務局スタッフの方が録画した参議院予算委員会での質疑をみる機会がありました。
昨日(1/28),民主党の山根議員が,補正予算の質疑の際,統合医療について言及した部分です。
まず,同議員が鳩山首相に,統合医療についての見解を尋ねたのに対して,首相は,政府として検討し,推進していきたい,と答弁されています。
総理大臣から,統合医療推進が明言されたことは意義深いと思います。
次に,科学的根拠や安全性の検討についての質問に対し,長妻厚労大臣が答弁に立ち,窓口の一本化や研究予算の計上などを述べていました。
昨年11月,東大安田講堂で開催された学会の際,山根議員も出席され,私と同じセッションで発言されていました。
また,鳩山首相は,野党時代に,統合医療学会主催のシンポジウムにご夫妻で出席され,挨拶をされていました。
そのため,鳩山首相も山根議員も,統合医療については一定の理解をされていると思います。
現在,統合医療については,欧米諸国はもちろん,日本以外のアジア各国も戦略的に推進しています。
これには,慢性疾患に対処する医療としてだけではなく,予防の重視による医療費の抑制といった目標があります。
さらに,中国政府は,自国の伝統医療を世界標準に組み入れるという野心的な戦略を持ち,欧米で積極的に活動しています。
研究者の間ではよく知られているように,米国では,日本の数十倍から100倍以上の研究費を,連邦政府予算から統合医療・補完代替医療分野に投入しています。
(これは日米の経済規模の差を考慮しても大きな差になっています。)
日本でも,政策的戦略的な取り組みが早急に求められる自体になっており,本来であれば,厚労大臣だけではなくて,国家戦略局で策定するべき案件のように感じました。
すくなくとも,現在の政権のもとで,欧米諸国や他のアジア諸国に対抗できるだけの戦略と体制作りが求められています。
これは,単にサプリメント・健康食品に関するエビデンス構築や提供というだけではなく,伝統医療の発信等も必要ですし,将来的には資格制度の見直しについての議論も求められるでしょう。
現政権は発足後,混乱も見られますが,統合医療の推進という戦略的政策を期待したいと思います。
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