今月の栄養学の専門ジャーナルに,コエンザイムQ10による抗疲労効果を示した基礎研究が,スウェーデンのグループ(Uppsala University)から報告されていました。
(
J Med Food. 2010 Feb;13(1):211-5.)
コエンザイムQ10は,ミトコンドリアにおけるエネルギー産生に関与する成分で,抗酸化作用を有し,多くの慢性疾患や生活習慣病で低下が認められます。
コエンザイムQ10の投与によって,さまざまな病態の改善が示されています。
また,加齢とともに減少することから,アンチエイジング分野でも広く利用されるサプリメント成分です。
さて,今回の研究では,コエンザイムQ10による抗疲労作用が検証されました。
具体的には,マウスを用いて,コエンザイムQ10を0, 1.5, 15, or 45 mg/体重kg/日の用量にて4週間投与し,運動負荷(swimming exercise)試験が行われています。
運動負荷試験前後で,血中尿素窒素や乳酸,肝グリコーゲンなどが測定されました。
その結果,対照群に比べて,コエンザイムQ10投与群では,
--運動耐用能の有意な向上(15 mg/kg/day; P < .05),
--肝グリコーゲン量の増加(15 and 45 mg/kg/day; P < .01 and P < .05, respectively),
--血中尿素窒素の有意な低下(1.5, 15, and 45 mg/kg/day; P < .01)
が認められたということです。
以上のデータから,コエンザイムQ10投与による運動耐用能の向上が示唆されます。
なお,以前,DHCと大学との共同研究として実施したヒト臨床研究では,コエンザイムQ10とビタミンの投与によって,運動負荷時の酸化ストレス障害が抑制される,という結果を得ています。
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