栄養学の専門ジャーナルに,成人期の認知機能の維持にオメガ3系脂肪酸のDHAが関与するという調査研究が,米国のグループ(University of Pittsburgh)から報告されていました。
(
J Nutr. 2010 Feb 24.)
魚油およびオメガ3系脂肪酸の摂取は,乳幼児期における脳神経系の発達に重要であり,成人後も認知機能障害リスクの低下に有用であることが知られています。
認知機能障害リスク低下に関しては,脳の発達初期の摂取が重要であるという考えがあります。
今回の研究では,中年期以降の認知機能と血中脂質におけるオメガ3系脂肪酸との関係が検証されました。
具体的には,魚油サプリメントを摂っておらず神経精神疾患を有していないボランティア280名(35〜54歳)を対象に,血中脂質(αリノレン酸,EPA,DHA)が測定され,神経精神関連指標5種類が調べられています。
共変量調整回帰モデルによる解析の結果,DHAの血中濃度が高いと,各種の認知機能が有意に優れていることが見出されたということです。(P </= 0.05)
一方,ALAやEPAは,いずれの認知機能関連指標との相関は認められていません。
以上のデータから,血中オメガ3系脂肪酸のうち,少なくともDHAは,健康な成人における認知機能の維持に関連することが示唆されます。
DHAは,脳神経系の発育期だけではなく,成人後も重要な栄養素であることが考えられます。
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