今月の薬理学の専門ジャーナル(電子版)に,クルクミンによる認知機能改善作用のメカニズムに関する基礎研究が,インドのグループから報告されていました。
(
Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmacol. 2010 Apr 6.)
クルクミンは,
ウコンに含まれるファイトケミカルの1種で,抗炎症作用や抗酸化作用を有する機能性食品素材です。
これまでの研究によって,ウコンの摂取による認知症のリスク低減効果が示唆されています。
今回の研究では,認知症モデルマウスを用いて,クルクミンによる認知機能改善作用について,その分子メカニズムの検証が行われました。
具体的には,認知症モデルマウス(STZ投与Swiss albino mice)に,クルクミンを20mg/kgの用量で14日間経口投与し,モリス水迷路試験による評価が行われています。
クルクミン投与の結果,認知機能低下の抑制,酸化ストレス障害の抑制が認められました。
さらに,STZ誘導認知症に対するクルクミンの効果は,PPARγ受容体拮抗剤による前処理によって,有意に抑制されたことから,PPARγを介した分子機構の関与が示唆されます。
今後,臨床的意義の検討が期待される分野です。
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