サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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エキナセアとチトクロームP450 [2010年04月14日(水)]
今月の生薬学の専門ジャーナル(電子版)に,エキナセアによる薬剤代謝酵素への影響を調べた基礎研究が,ポーランドのグループから報告されていました。
(Phytomedicine. 2010 Apr 5.)



エキナセアは,北米原産のハーブで,免疫調節作用を有し,風邪(普通感冒)の予防や症状軽減に有用なサプリメントとして広く利用されています。



今回の報告は,ハーブサプリメントと医薬品との相互作用というテーマに関連した研究です。


肝臓での薬剤代謝酵素であるチトクロームP450の発現について,エキナセア(Echinacea purpurea)標準エキス(3.7%ポリフェノール含有)の作用が検証されました。



ラットを用いて,エキナセア投与後の肝臓におけるRNA量を測定した結果,対照群に比べて,CYP2D1 および CYP1A1の発現が,それぞれ40% (p=0,007),80% (p=0,01)有意に増加していたということです。


また,CYP1A2でも,対照群に比べて,軽度の増加(16%,p>0,05)が見出されています。


一方,CYP3A1 と CYP3A2の発現は,それぞれ41% (p<0,05) ,25% (p=0,001)減少しました。


CYP2D2とCYP2C6についても減少が示されています。



以上のデータから,エキナセアによるCYP3A1/2の抑制,CYP1A1とCYP2D1の誘導作用が示唆されます。




ただし,動物を用いたRNA発現での検討ですので,これらのデータの臨床的意義は不明です。



一般に,臨床的意義が不明な基礎研究データのみによって相互作用の可能性が推察されるというサプリメントについて,医薬品と併用する際には十分に経過を見ながら利用する,という判断になります。



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医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】
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