今月のがん研究の専門ジャーナル(電子版)に,ブルーベリー由来のファイトケミカルによる抗がん作用を示した基礎研究が,米国のグループ(University of Rhode Island)から報告されていました。
(
Cancer Res. 2010 Apr 13.)
サプリメントとしてのブルーベリーは,眼精疲労回復作用など目の働きに関連した機能性が知られています。
一方,ブルーベリー抽出物には,アントシアニン類などのファイトケミカルが豊富に存在し,抗酸化作用を介した多彩な作用が期待されます。
今回の研究では,ブルーベリー抽出物による乳がんに対する抗がん作用が,
in vitro および
in vivo系にて検証されました。
まず,ブルーベリー抽出物は,HCC38, HCC1937, MDA-MB-231細胞において増殖を抑制しました。
次に,MCF-10A細胞に対しては変異性を示さず,MDA-MB-231細胞の転移性抑制が認められました。
細胞内情報伝達物質に関する解析では,matrix metalloproteinase-9活性の抑制が示されています。
さらに,MDA-MB-231細胞におけるPI3K/AKTとNFkappaB活性の抑制も認められました。
その他,腫瘍モデルマウスにおいて,ブルーベリー抽出物投与による乳がん細胞の増殖抑制作用が示されています。
以上のデータから,ブルーベリー抽出物による乳がん抑制作用が示唆されます。
今後,臨床的意義の検証が期待される分野です。
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