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抗がん剤の骨髄毒性をマイタケ由来βグルカンが抑制 [2010年06月01日(火)]
今月の腫瘍免疫学の専門ジャーナルに,化学療法時におけるマイタケ由来βグルカンによる白血球および骨髄系細胞への作用を調べた基礎研究が,コーネル大学のグループから報告されていました。
(Cancer Immunol Immunother. 2010 Jun;59(6):885-97)



がんに対する化学療法施行時には,抗がん剤による骨髄抑制が問題になります。


標準治療での対策としては,G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)治療がありますが,補完療法も探索されています。


これまでの研究では,ドキソルビシン(抗がん剤の1種)毒性に対して,マイタケ(学名Grifola frondosa)抽出物のβグルカンが,マウス骨髄およびヒト血前駆細胞(in vitro)において,顆粒球単球コロニー形成ユニット細胞活性を亢進することが示されています。



今回の研究では,パクリタキセル(Paclitaxel)毒性に対するマイタケ由来βグルカンの作用が検討されました。


具体的には,正常マウスを用いて, 90-120mg/kgの用量(蓄積量)でパクリタキセルが投与された後,マイタケ由来βグルカン(4あるいは6mg/kg/日の用量)の経口投与,G-CSF (80 microg/kg)の静注,あるいはパクリタキセル単独投与が行われています。


骨髄および脾臓において,白血球回復の程度やCFU-GM活性,酸化障害が測定された結果,
まず,白血球数に関して,パクリタキセル+マイタケβグルカン投与群では,パクリタキセル単独投与群(p = 0.024)およびパクリタキセル+G-CSF投与群(p = 0.031)に比べて,減少幅が有意に抑制されていました。


また,リンパ球に関しても,パクリタキセル単独投与群に比べて,マイタケβグルカン併用投与群では有意に高い値(p < 0.01)となっています。(G-CSF併用群は有意差なし)



その他,骨髄および脾臓(p < 0.001, p = 0.002)において,マイタケβグルカン投与群ではCFU-GM活性が亢進し,酸化障害が抑制されたということです。



以上のデータから,マイタケ由来βグルカンの経口投与は,抗がん剤(パクリタキセル)投与の骨髄毒性を抑制すると考えられます。


今後,がん標準治療の補完療法として,臨床的意義の検証が期待される分野です。


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