今月の生薬学の専門ジャーナル(電子版)に,スピルリナによる免疫賦活作用を示したヒト臨床研究が,デンマークのグループから報告されていました。
(
Planta Med. 2010 Jun 17)
スピルリナとは,食用藻の一種であり,タンパク質,ビタミン・ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。
栄養価が高い機能性食品素材として,
サプリメント成分にも用いられており,ファイトケミカルや葉緑素の抗酸化作用を介した機能性が考えられます。
例えば,これまでの基礎研究では,スピルリナ(
Arthrospira (
Spirulina)
platensisアースロスピラ・プラテンシス)によるTHP-1単球やCD4+T細胞の活性化作用が示されてきました。
今回の研究では,スピルリナ製品(Immulina)によるNK細胞活性に対する作用が検証されています。
まず,北米の健常者10名を対象に,1日あたり400mgのスピルリナ抽出物を7日間投与した結果,NK細胞による抗K562腫瘍細胞活性が有意に亢進したということです(p< 0.01)。
次に,偽薬対照クロスオーバー試験として,デンマークの健常者11名を対象に,1日あたり200mgあるいは400mgのスピルリナ製品を7日間投与した臨床試験では,NK細胞の表面マーカーであるNKG2DのmRNA発現が,37 % (p =0.02)と55 % (p = 0.0003)それぞれ有意に増加しました。
また,NK細胞顆粒中に存在するperforinの発現もスピルリナ400mgの投与によって75%(p= 0.008)有意に増加しています。
以上のデータから,7日間のスピルリナ投与による免疫調節作用が示唆されます。
今後,臨床的意義の検証が期待されます。
------------------------------------------------------------------
医療機関専用サプリメント【DHC FOR MEDIC】(DHCフォーメディック)
医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】
------------------------------------------------------------------
毎回勉強になります。