今月の肥満研究の専門ジャーナルに,食事療法のタイプ別にリバウンド予防の効果の有無について,プロテオミクス解析を行ったデータがネスレの研究グループから発表されていました。
(
Obesity reviews 2010;11:suppl 1;5: T1:RS2.3)
Omics研究の考え方では,
ゲノム情報は,これから起こるかもしれない可能性を示唆するデータであり,
トランスクリプトームは,起こりつつある状態についての情報,
プロテオミクスは,現在の病態を反映した情報
となります。
(メタボロームは,現時点の病態を反映するさらに的確な情報ですが,ペプチドのみを対象とするプロテオミクス解析に比べると,解析対象が複雑であり,まだ十分な実用段階にあるとはいえない状況です。)
さて,今回の研究では,
低エネルギー食で減量後,高GI食や低GI食に分けて,リバウンド予防のための食事療法を行い,プロテオミクス解析が行われました。
その結果,特定のGI食によって,リバウンド予防のレスポンダー群とノンレスポンダー群に関連するペプチドが見出されたということです。
まだ予備的なデータですが,肥満に対するテーラーメイドの食事療法確立に向けた有用なアプローチと考えられます。
(私共の研究でも,血症の網羅的なプロテオミクス解析によって,生薬の減量効果に対するレスポンダーとノンレスポンダーの差異を見出しています。)
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