今月の循環器病学の専門ジャーナルに,紅麹によるコレステロール低下作用を示した臨床研究が,ノルウェイのグループ(Oslo University Hospital)から報告されていました。
(
Scand Cardiovasc J. 2010 Aug;44(4):197-200.)
紅麹は,有効成分としてモナコリン類を含み,LDL(悪玉)コレステロール値を低下させ,脂質異常症を改善する働きがあります。
医薬品のスタチン剤と同等の効果があり,かつ,副作用が少ない,という特長が知られています。
最近の研究では,スタチン剤の副作用のために医薬品が利用できない(スタチン不耐症)の場合でも,紅麹が有効であるという報告があります。
さて,今回の研究では,ランダム化二重盲検偽薬対照試験として,紅麹(HypoCol)投与群(n=22)あるいは偽薬投与群(n=20)の2群について,16週間の介入が行われています。
(対象者は,18歳〜75歳で,LDLコレステロールが3.0〜6.0 mmol/L,中性脂肪が4.5 mmol/L未満。)
試験の結果,偽薬投与群に比べて,紅麹投与群では,LDLコレステロールの有意な低下(23.0%),総コレステロールの有意な低下(15.5%)が認められたということです(p<0.001)。
これまでに,紅麹の有効性および安全性を検証した研究が数多く集積されており,紅麹はエビデンスの構築が最も行われているサプリメントの一つです。
なお,医薬品のスタチン剤は,コレステロールの合成を阻害する過程で,内在性コエンザイムQ10の合成も阻害します。
スタチン剤による横紋筋融解症の発症メカニズムとして,ミトコンドリアにおけるコエンザイムQ10の低下が想定されます。
そこで,統合医療による脂質異常症へのアプローチとしては,
紅麹の単独投与よりは,
コエンザイムQ10との併用が好ましいと考えられます。
特に,筋痛症/横紋筋融解症の症状でスタチン剤を中止した場合,紅麹を単独で開始するのではなく,まず,コエンザイムQ10の投与を行い,その後で,紅麹を追加するべきと考えます。
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紅麹というのにモナコリンKというのが入ってて、それがコレステロールを下げるというのを見たことがある。
麹というのはなんとなく聞いたことがあったけど、紅麹というのは初耳だ。
ドリンクや粉末のパウダーだったり紅麹サプリメントにはいっていたりするみたい。
で... [ReadMore]