今月の臨床医学系の専門ジャーナル(電子版)に,イギリスにおけるCAM(補完代替医療)の利用状況を調べた研究が,エクセター大学のグループから報告されていました。
(
Int J Clin Pract. 2010 Aug 4.)
今回の研究では,2005年に実施された健康調査のデータを用いて,CAM(complementary and alternative medicine補完代替医療)の利用状況が解析されています。
具体的には,回答者7630名を対象に,生涯および過去12ヵ月におけるCAM利用が調べられました。
その結果,CAMの利用率は,生涯では44.0%,過去12ヵ月では26.3%という結果でした。
広く利用されていたCAMは,
マッサージ,
アロマセラピー,
鍼
の3つです。
また,処方箋医薬品を服用している回答者のうち,29%の人は,過去12ヵ月に何らかのCAMを利用していました。
CAMの利用と有意に相関していた項目は,
--女性(OR 0.491, 95% CI: 0.419, 0.577)
--大学教育(OR 1.296, 95% CI: 1.088, 1.544)
--不安・うつに罹患している(OR 1.341, 95% CI: 1.074, 1.674)
--メンタルヘルス面での問題(OR 1.062, 95% CI 1.026, 1.100)
--野菜や果物を5サービングサイズ以上摂取している(OR 1.327, 95% CI: 1.124, 1.567)
となっています。
(平均以上の教育水準を持つ女性で,健康に気をつけた食生活を送っている一方,メンタルヘルスでの不安も抱えている,という人たちがよく利用しているという印象です。)
以上のデータから,論文著者らは,英国においてCAM利用は顕著であり,医薬品による治療を受けている患者でも一定の割合で用いられており,CAM研究が重要であると考察しています。
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