今月の第240回ACS(米国化学会)にて,食前の水摂取による減量効果を示したランダム化比較試験が,米国のグループ(Virginia Tech)から報告されていました。
(2010 ACS 240th, Boston)
これまでの研究では,食前の水摂取によって摂取エネルギーが1日あたり300kcal減少することが示されています。
(同じグループによる報告ですPMID: 18589036)
今回の研究では,55歳から75歳の被験者48名を対象に,水摂取群と非摂取群の2群に分けて,コップ2杯(1杯は8オンス,約227mL)の水を,1日3食の食前に摂取させ,12週間にわたる影響が検証されています。
(試験期間中,被験者全員が低カロリー食を摂取しています。)
その結果,非摂取群では11ポンドの減量であったのに対して,水摂取群では15.5ポンドの減量効果が認められたということです。
作用メカニズムとしては,胃の機械的な拡張によって神経系あるいはホルモン系を介したシグナルが摂食中枢に伝達されることで食欲が抑制され,減量効果を見出せたと考えられます。
(したがって,必ずしも水である必要はなく,カロリーのない飲料であれば同様の効果が期待できます。また,カロリーの少ない野菜サラダを先に食べましょう,という食事指導と同じメカニズムです。)
(糖類の多い飲料では効果が期待できないですし,大量の水を短期間に摂取すると低ナトリウム血症などによる水中毒のリスクがあります。以前にこのブログでも紹介しましたが,極端な例では,死亡例も知られています。)
毎食前に,水やお茶などカロリーのない飲料を適量摂取する(今回の研究では約454mL×3回)という方法は,手軽で安価な体重コントロール方法と考えられます。
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