サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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男性におけるクランベリーの働き [2010年10月06日(水)]
栄養学の専門ジャーナルに,クランベリー投与によって,男性における下部尿路症状改善を示した臨床研究が報告されていました。
(Br J Nutr. 2010 Aug 31:1-9)



中高年の男性では,前立腺肥大症や過敏性膀胱による排尿困難および頻尿といった下部尿路症状が,生活の質に影響を与えます。


前立腺肥大症の対策として,一般には,ノコギリヤシサプリメントが用いられ,臨床研究でも有効性が示されてきました。


クランベリー(学名Vaccinium macrocarpon)は,粘膜上皮への細菌の付着を抑えることから,主に女性に多い尿路感染症対策のサプリメントとして用いられています。



今回の研究では,前立腺肥大症や非細菌性慢性前立腺炎に伴う下部尿路症状に対するクランベリーの効果が検証されました。



具体的には,42名を対象に,クランベリー(乾燥末)を1500mg/日の用量で投与した群(n=21)と非投与対照群(n=21)の2群について,6ヶ月間の介入試験が行われています。


理学所見,国際前立腺症状スコア(IPSS),QOL,国際勃起機能指数(International Index of Erectile Function,IIEF-5),PSA,CRPなどの指標が解析された結果,


対照群に比べて,クランベリー投与群では,IPSS,QOL,排尿指標(尿流速や排尿後残尿量など)における有意な改善が見出されたということです。


(その他,6ヵ月後にPSAの低下も示されています。)


なお,血中テストステロン値やCRP値には有意な変化は認められませんでした。


また,対照群では,各種指標に有意な改善は認められていません。



以上のデータから,クランベリーによる男性の下部尿路症状改善作用が示唆されます。



作用機序としては,(テストステロン値に変化がないことから)BPHとは別の因子,また,CRP関連とも異なる因子を介したメカニズムが推察されます。

(詳細については,さらに検証が必要です。)




この報告は,クランベリー粉末による男性の下部尿路症状に対する改善作用を示した(おそらく最初の)臨床試験と思われます。


(エビデンスレベルを考慮すると)第一選択としては,やはり,

男性のBPH-ノコギリヤシ

女性の尿路感染症再発予防-クランベリー

という組み合わせになると思いますが,男性におけるクランベリー投与の意義についても研究の蓄積が期待されます。



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