眼科学の専門ジャーナル(電子版)に,緑内障患者におけるCAM(補完代替医療)の利用状況を調べた研究が,カナダのグループ(University of Toronto)から報告されていました。
(
J Glaucoma. 2010 Dec 16)
緑内障は,本邦での失明の主因となる目の疾患であり,40歳以上に多くみられます。
視野欠損の症状が特徴的です。
(なお,白内障は,目の水晶体(レンズ)が濁る疾患です。)
かつて,緑内障は眼圧が高いことがしられていました。
しかし,最近の研究では,日本人の場合,眼圧が正常範囲であるにもかかわらず,緑内障である正常眼圧緑内障の患者が過半数に達していることが示されています。
さて,今回の研究では,緑内障患者におけるCAM(補完代替医療)の利用状況に関する調査が行われました。
具体的には,多施設共同前向き調査として,緑内障患者1,516名が対象となり,92.5%から回答が得られています。
10.9%にあたる166名の患者が,緑内障に対して何らかのCAMを現在利用しているとしています。
また,41名(2.7%)の患者は,過去にCAMを利用していたということです。
これらのCAM利用者のうち,62.5%は,CAMの利用について眼科医に明らかにしていませんでした。
40.5%は,CAM療法が緑内障に対して有用であると感じていたとしています。
よく利用されていたCAMは,
ハーブ(34.5%),
食事療法(22.7%),
ビタミン・ミネラルサプリメント(18.8%)
などとなっています。
以上のデータから,緑内障患者9名のうち1名は,何らかのCAMを利用している一方,その利用について眼科医とのコミュニケーションが十分とはいえないことが示唆されます。
なお,緑内障に対する標準治療は,眼圧を下げるための,薬物療法,レーザー治療,手術療法です。
(CAM療法は,緑内障に対しては確立されたものはなく,第一選択にはならないと思います。)
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