眼科学の専門ジャーナル(電子版)に,抗酸化サプリメントによる糖尿病性網膜症の進行抑制効果を示した臨床研究が,スペインのグループから報告されていました。
(
Eur J Ophthalmol. 2010 Dec 30.)
今回の研究では,2型糖尿病の合併症の1つである網膜症に対する抗酸化サプリメントの効果が検証されています。
具体的には,2型糖尿病患者105名を対象に,食事摂取に準じた抗酸化サプリメントが経口投与され,
指標として,眼科的検査,血中MDA,抗酸化能(total antioxidant status [TAS])が投与前に測定されました。
5年間のフォローアップを97名が完了し,同様の検査を受けています。
解析の結果,網膜症のステージは,抗酸化サプリメント投与群では進行の抑制が認められています。
一方,サプリメント非投与群では,網膜症の悪化が見いだされました。
さらに,抗酸化サプリメント投与群では,血中の抗酸化能が維持されていました。
以上のデータから,論文著者らは,抗酸化サプリメントの投与は,2型糖尿病性網膜症に対する補完療法として意義が示唆される,と考察しています。
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