サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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ビタミンEのメタ分析:脳出血リスクと脳梗塞予防 [2011年01月15日(土)]
英国の医学総合誌に,ビタミンEの摂取と,脳出血リスク・脳梗塞予防の相関について検証したメタ分析が,米国のグループから報告されていました。
(BMJ. 2010 Nov 4;341:c5702)


ビタミンEは抗凝固作用を有することから,理論的には,脳梗塞など梗塞性疾患の予防効果が期待できる一方,高用量の摂取による出血リスク上昇が想定されます。


そこで,今回の研究では,9報の臨床試験,被験者118,765名のデータを対象に解析が行われています。





一般に,メタ分析(メタ解析)の報告は,ランダム化比較試験(RCT)のデータを集積して検証しており,エビデンスレベルが高いと考えられています。


ただし,これは,あくまでRCTの質が高い場合に限られます。同一成分で同一の医薬品であれば,一定の患者背景を調整することで,ある程度,意義のある結果が得られることもあります。


しかし,機能性食品・サプリメントの場合には,同一成分でも製品によって処方が異なり,用量用法がさまざまであるため,サプリメントのRCTに関するメタ分析・メタ解析は,見当はずれなプロトコールで論文が抽出されてしまい,偽陰性データが一人歩きすることが散見されます。





今回のビタミンEの場合,ビタミンEとして合計8種類があり,臨床研究では,さまざまな種類の合成型あるいは天然型のビタミンEが用いられています。


また,用量や用法,投与期間も臨床試験によって異なるため,ビタミンEについてはメタ分析を行うことが困難です。


さらに,今回の試験では,1次予防から2次予防まで,目的の異なる臨床試験が含まれており,これらの多様なRCTをメタ分析すること自体に無理があると考えられます。


(なお,3年程前には,ビタミンEのRCTに関するメタ分析がいかに不合理であるか,ということを論じた論文が発表されているほどです。)


(ビタミンEのメタ分析の中には,慢性消耗性疾患の末期患者にビタミンEを大量に投与して死亡率が高まった,という試験データを含み,ネガティブなバイアスをかけて発表している論文さえあります。)


これらの問題点を理解したうえで,今回のメタ分析をみる必要があります。



さて,今回のデータでは,(さまざまな種類・用量・用法の)ビタミンE群 59,357名と偽薬群59,408名が比較され,脳卒中,出血性,梗塞性のそれぞれが解析された結果,

ビタミンEは,

全脳卒中には影響を与えず(0.98 (95% CI 0.91 to 1.05), P=0.53)),

脳出血(haemorrhagic stroke)は22%増加(pooled relative risk 1.22 (1.00 to 1.48), P=0.045),

脳梗塞(ischaemic stroke )は10%低下(pooled relative risk 0.90 (0.82 to 0.99), P=0.02),

という結果になっています。



前述のように,ビタミンEには抗凝固作用があり,脳梗塞を予防する一方で,脳出血のリスクも想定はされると思われます。


これは,同様の作用を有する医薬品でも同じです。


(ちなみに,循環改善作用を有するイチョウ葉エキスでは,抗凝固作用・抗血小板作用が示されていますが,脳出血リスクは否定的です。)




現時点のエビデンスを俯瞰的にみた上で,サプリメントの推奨基準は次の通りです。


まず,ビタミンEサプリメントの摂取時には,過剰にならないように,一日目安量を遵守することが大切です。

また,抗凝固剤などの医薬品を併用時には主治医に報告が必要です。


ビタミンEは,マルチビタミンにも含まれています。



サプリメントの摂取時には,マルチビタミンをベースとして,

循環の改善などのために追加する時には,天然型ビタミンEトコトリエノールを,


動脈硬化性疾患の予防には,オメガ3系必須脂肪酸(DHAEPA)など
の摂取が推奨できます。




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