今月の臨床栄養学の専門ジャーナルに,慢性腎臓病患者におけるビタミンDサプリメントの効果を示した臨床研究が,ノルウェイとドイツのグループから報告されていました。
(
Adv Cont in Cl Nut 2011 Feb 25-7, pp14, #10)
死亡リスクの高い群である末期腎疾患患者では,ビタミンDの低下が知られています。
ビタミンDは,骨の健康維持だけではなく,免疫調節作用や抗がん作用など多彩な機能が示されている脂溶性ビタミンの1種です。
今回の研究では,多施設共同前向き研究として,腎疾患患者におけるビタミンDサプリメント投与の影響が検証されています。
具体的には,末期腎疾患患者650名を対象に,ビタミンDサプリメントが投与され,2.1年間(中央値)のフォローアップが行われました。
(ビタミンDサプリメントとしては,コレカルシフェロール,カルシトリオールなどが用いられています。)
ビタミンDサプリメント投与の結果,死亡率が26%低下したということです。
(HR 0.74; 95%CI 0.55-0.99)
次に,投与されたビタミンDの種類別による解析では,
コレカルシフェロール(ビタミンD3)投与群においてのみ,死亡率の有意な低下が認められています。
(38%低下。 HR 0.62: 95%CI; 0.41-0.93)
以上のデータから,(ビタミンDの低値が推定される)末期腎疾患患者では,ビタミンD3サプリメント投与によって死亡率の低下(改善)効果が期待できると考えられます。
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