欧州の臨床栄養学専門ジャーナル(電子版)に、2型糖尿病患者におけるブロッコリースプラウトの抗酸化作用を示した臨床研究が報告されていました。
(
Eur J Clin Nutr. 2011 May 11.)
ブロッコリースプラウトには抗酸化作用があり、生活習慣病の病態に対する機能性が期待されています。
(スプラウトでなくても、ブロッコリーにはスルフォラフェンなど抗酸化作用、抗がん作用を示すファイトケミカルが含まれています。)
さて、今回の研究では、糖尿病患者における酸化ストレスに対して、ブロッコリースプラウトの作用が検証されました。
(ランダム化二重盲検偽薬対照試験)
具体的には、2型糖尿病患者81名を対象に、
1日あたり10グラムのブロッコリースプラウト末投与群(n=27)、
1日あたり5グラムのブロッコリースプラウト末投与群(n=29)、
偽薬群(n=25)
の3群について、酸化ストレス関連マーカーが測定されています。
4週間の介入の結果、
合計63名が解析の対象となりました。
(内訳;10 g投与群(n=21)、5g投与群(n=22)、偽薬群(n=20))
ブロッコリースプラウト投与によって、
MDAの有意な低下(P=0.001)、
酸化LDLコレステロールの有意な低下(P=0.03)、
OSI(酸化ストレス指数)の有意な低下(P=0.001)、
血中総抗酸化能(TAC)の有意な増加(P=0.001)
が認められたということです。
以上のデータから、ブロッコリースプラウト末が2型糖尿病患者における酸化障害状態を改善することが示唆されます。
なお、今回の投与量である10グラムと5グラムのブロッコリースプラウトには、
ブロッコリーに特徴的なファイトケミカルのスルフォラフェン・イソチオシアネート(sulforaphane isothiocyanates)が、それぞれ225マイクロモル、112マイクロモル含まれています。
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