今月の米国の科学誌(電子版)に、ビフィズス菌の投与による寿命延長作用を示した基礎研究が、協同乳業のグループから報告されていました。
(
PLoS One. 2011;6(8):e23652. Epub 2011 Aug 16.)
乳酸菌や
ビフィズス菌は、腸内環境を整える作用があり、整腸作用や免疫調節作用、抗アレルギー作用などが知られています。
加齢のメカニズムにはいくつかの説があり、プログラム説やフリーラジカル説が代表です。
また、近年では、慢性炎症が様々な生活習慣病の発症に関与することがわかっています。
哺乳類ではポリアミン類の投与が加齢の進展を抑制するという報告があります。
ポリアミン類は、腸内細菌叢によって産生される生理活性物質で、拡散やたんぱく質の合成に関与し、炎症を抑制する作用を示す一方、腸内細菌叢によるバリア機能の障害によってポリアミン類の低下が認められます。
そこで、今回の研究では、腸内細菌叢を改善するビフィズス菌の投与と、寿命との関連が検証されました。
具体的には、マウス(10月齢のCrj:CD-1雌マウス)を用いて、ビフィズス菌LKM512を11カ月間投与し、非投与対照群との比較が行われています。
生存率の解析の結果、対照群に比べて、ビフィズス菌投与群では平均寿命が有意に延長(P<0.001)したということです。
このとき、皮膚潰瘍や腫瘍といった障害は、対照群のほうで多く認められています。
炎症や消化管の解析では、16S rRNA遺伝子の変化が認められ、ビフィズス菌投与群における消化管でのポリアミン類の増加(P<0.05)も示されました。
その他、ビフィズス菌投与によって、加齢や炎症に伴って発現する遺伝子群の発現抑制も認められています。
これらの遺伝子群が、ビフィズス菌投与21月齢マウスでは、10月齢マウスと同程度でした。
以上のデータから、ビフィズス菌投与によって、遺伝子発現の変化やポリアミン類の産生を介して、慢性炎症が抑制され、寿命が延長するという作用が示唆されます。
今後、臨床的意義の検証が期待されます。
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