医学博士　蒲原聖可ブログ

今月の内分泌学の専門ジャーナル(電子版)に、αリポ酸による精子機能改善作用を示した基礎研究が報告されていました。
(Andrologia. 2011 Sep 15.)



αリポ酸は、抗酸化作用を有する機能性成分の一つで、体内ではミトコンドリアで産生されます。


サプリメントとしてのαリポ酸は、抗酸化作用を介した機能性が示されており、
ダイエット目的からアンチエイジングまで、広く利用されています。



さて、今回の研究では、αリポ酸による精子機能への影響が調べられました。


具体的には、モデルラットを用いて、有機溶剤による精子機能障害を発生させ、αリポ酸による効果が測定されています。


対照群、αリポ酸単独投与群、有機溶剤単独投与群、αリポ酸+有機溶剤投与群
(各群n=8)
等で比較が行われました。


解析の結果、
有機溶剤単独投与群では、対照群に比べて、体重や生殖器官の重量減少、精子数や運動能の低下などが認められています。


これに対して、αリポ酸+有機溶剤群では、有機溶剤単独群に比べて、
精子機能関連指標の有意な改善が見出されたということです。



以上のデータから、環境汚染物質による精子機能抑制に対して、αリポ酸による改善作用が示唆されます。




今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。





αリポ酸は、ダイエット関連サプリメントというイメージがありますが、抗酸化作用や抗炎症作用を介した多彩な効果が期待できる成分です。





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