サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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ビタミンD不足の腎臓移植患者ではタンパク尿が認められる [2011年12月24日(土)]
今月の臓器移植研究の専門ジャーナルに、腎臓移植患者におけるビタミンDとタンパク尿との関連を調べた研究が、米国のグループ(University of Colorado)から報告されていました。
(Transplant Proc. 2011 Dec;43(10):3723-9.)



慢性腎疾患患者では、ビタミンD欠乏が高率に認められ、さらに、タンパク尿やインスリン抵抗性、心血管疾患も生じることが知られています。


腎臓移植患者も、ビタミンD低値のリスクが高いことが推定されますが、臨床的意義は明確では必ずしもありません。



そこで、今回の研究では、生体腎移植レシピエント95名を対象に、ビタミンD欠乏の頻度と、タンパク尿、インスリン抵抗性、心血管疾患マーカーとの関連が調べられました。


血中ビタミンD値(25(OH)D)は、

19名が低値(≤ 30 ng/mL)、

76名が正常範囲(> 30 ng/mL)

でした。

(つまり、被験者の20%がビタミンD欠乏症になります。)




タンパク尿症(尿中タンパク質-クレアチニン[P/C] ≥ 0.2 mg/mg)は、
ビタミンD欠乏群において、正常群に比べて、高率に見出されました。

(47.4% vs 18.7%; P = .02)




血中ビタミンD値は、尿中P/C比および副甲状腺ホルモン値と負の相関を示しました。

(ビタミンDが低いと、タンパク尿症であり、副甲状腺ホルモン値が高いという相関です。)




一方、ビタミンD値は、インスリン抵抗性(HOMA-IR)や心血管疾患マーカーとの関連は示されていません。


単変量解析の結果、タンパク尿症と副甲状腺ホルモン値は、ビタミンD欠乏症のマーカーとなりうることが認められました。

(P < .01 and P = .03, respectively)



また、多変量解析では、
タンパク尿症は、ビタミンD欠乏の指標であることも示されています。
(OR= 4.526; P = .03)




以上のデータから、
腎臓移植患者では、ビタミンD欠乏症が高率に認められ、タンパク尿症と相関していることが示唆されます。





ビタミンDは、骨の健康維持や骨粗鬆症予防の必須栄養素として知られています。


近年、ビタミンDの機能性として、免疫調節作用や抗がん作用、インフルエンザ予防作用なども見出されてきました。


また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。



現代では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。




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