神経学の専門ジャーナルに、体内のDHA(ドコサヘキサエン酸)値が低いと、脳の老化が進行する、という相関を示した臨床研究が、米国のグループから報告されていました。
(
Neurology. 2012 Feb 28;78(9):658-64.)
これまでの研究によって、DHAおよびEPAについて、食事からの摂取が多いほど、また、血中濃度が高いほど、認知症のリスクが低下することが示唆されています。
今回のコホート研究では、中高年において、赤血球中のオメガ3系脂肪酸の値と、脳画像を含む認知機能関連指標との関連が調べられました。
具体的には、認知症を有していない平均年齢67歳の 1,575名(うち女性は854名)を対照に、認知機能テスト、脳MRI検査、年齢性別、教育水準、ApoEε4遺伝子変異の有無、血中ホモシステイン値、身体活動、BMI、心血管リスクといった指標が測定されています。
(被験者はFramingham Studyの被験者の一部。)
解析の結果、
赤血球中のDHA値が、四分位で、最低群は、他の群に比べて、白質病変が大きく、脳容積が小さいことが見出されたということです。
また、赤血球中のDHA値およびオメガ3系脂肪酸(EPA+DHA)について、四分位で最低群は、他の3群に比べて、視覚記憶能や抽象的思考など認知機能関連指標が、有意に低いスコアでした。
これらの有意差は、交絡因子で補正後でも、DHA値と有意な相関として見出されています。
以上のデータから、論文著者らは、
臨床的な認知症ではない高齢者でも、DHA値が低いと、脳容積が小さく、認知機能障害が示唆されると、考察しています。
EPAや
DHAなどのオメガ3系必須脂肪酸は、抗炎症作用・動脈硬化予防作用、認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。
EPAもDHAも、どちらも健康維持や疾病予防に重要です。
一般に、DHAは脳の栄養素、EPAは血管の栄養素といえるでしょう。
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