今月の臨床内分泌学の専門ジャーナル(電子版)に、エクオールによる脂質代謝改善作用を示した臨床研究が、日本のグループ(Kyoto Medical Center)から報告されていました。
(
Clin Endocrinol (Oxf). 2012 Apr 3.)
大豆には、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカルの1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。
エクオールは、大豆イソフラボンの1つであるダイゼインから腸内細菌の作用によって産生される代謝物であり、エストロゲン作用による機能性が注目されています。
一方、エクオール産生能には、個人差があり、すべての人がダイゼインからエクオールを産生するわけではないことから、エクオールサプリメントも用いられています。
さて、今回の研究では、肥満あるいはメタボリック症候群におけるエクオールサプリメントの作用が検証されました。
具体的には、BMI 25以上の日本人の肥満者54名を対象に、
・偽薬投与群
あるいは
・エクオールサプリメント(10mg/日)投与群
の2群について、
12週間の介入試験が行われています。
(ランダム化二重盲検偽薬対照クロスオーバー法、washout期間なし)
肥満やメタボリック症候群に関連する各種指標、動脈硬化の指標であるCardio Ankle Vascular Index (心臓足首血管指数;CAVI)などが測定されました。
解析の結果、
まず、被験者の67.9%がエクオール非産生者でした。
(先行研究では、一般人口での非産生者は50%という報告があり、今回の被験者である肥満者では、より高い割合となっています。)
偽薬群に比べて、エクオール投与群では、
HbA1c、LDL、CAVIの有意な低下が認められました。
また、サブ解析によると、この効果は、
女性のエクオール非産生者において、より顕著に認められたということです。
以上のデータから、
肥満者の間では、一般人口に比べて、エクオール非産生者の割合が多く、
エクオールサプリメント投与による脂質代謝や糖代謝への好影響が期待できるのかもしれません。
なお、エクオールは、エストロゲン様活性を有しており、細胞増殖作用などが想定されますが、現時点では、特に有害事象は見出されていない、とされています。
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