周産期医学の専門ジャーナル(電子版)に、妊婦において、チョコレート摂取による降圧作用(高血圧改善作用)を示した臨床研究が、イタリアのグループ(University of Perugia)から報告されていました。
(
J Matern Fetal Neonatal Med. 2012 Apr 26)
チョコレートには、カカオポリフェノールが含まれており、ポリフェノールの抗酸化作用を介した機能性が注目されています。
これまでの疫学研究や臨床試験では、高血圧症の改善、心血管疾患(動脈硬化性疾患)リスクの低減、抗がん作用などが報告されています。
なお、健康増進・疾病予防という目的では、カカオの含有量が多いダークチョコレートの摂取がポイントです。
さて、今回の研究では、妊娠中でのカカオ高含有チョコレートの摂取による臨床指標への影響が検証されました。
具体的には、大学病院産婦人科外来を受診した白人の妊婦90名(18-40歳、11週から13週目)を対象に、
ランダム化比較試験として、
・1日あたり30グラムのチョコレート(カカオ70%)投与群
あるいは
・対照群
の2群の比較が行われています。
解析の結果、
対照群に比べて、
チョコレート投与群では、
収縮期血圧(p<0.0001)および拡張期血圧(p=0.05)が有意に低い、
というデータが得られたということです。
このとき、体重や総コレステロール値には有意な変化(増加)は認められていません。
以上のデータから、
カカオを豊富に含むダークチョコレートの摂取は、妊婦において、体重に影響を与えることなく、血圧を調節することが示唆されます。
(なお、妊娠後期に高血圧などを示す妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)に対しては、医療機関での適切な対処が必要です。)
チョコレートには、カカオ豆由来の抗酸化成分・カカオポリフェノールが含まれており、動脈硬化抑制作用を介した機能性が知られています。
近年、欧米の研究室を中心に、年に1回くらいの頻度で、ダークチョコレートの摂取による高血圧改善作用を示したランダム化比較試験が報告されてきました。
(カカオポリフェノールは、ダークチョコレートには豊富に含まれていますが、ホワイトチョコレートには含まれません。)
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