臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、オリーブオイルの摂取が多いと、全死亡率および心血管死亡率が低下する、という研究が、スペインのグループから報告されていました。
(Am J Clin Nutr. 2012 May 30.)
地中海食は、スペインやギリシャ、南フランスなど地中海地方の伝統食です。
野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。
これまでの研究によって、オリーブオイルの消費と、生活習慣病のリスク低下、特に心血管疾患のリスク低下作用が示唆されています。
一方、オリーブオイルによる死亡率全体への影響については、データが十分ではありません。
そこで、今回の研究では、スペインにおいて、オリーブオイルの摂取量と、全死亡率および各疾患別の死亡率との関連が調べられています。
(EPIC-Spainという疫学研究の一環です。)
具体的には、1992-1996 年の間に、スペインの5地域にて、29歳から69歳までの 40,622名(うち女性は62%)が対象となり、
オリーブオイルの摂取量と、
全死亡率、
疾患別(心血管疾患、がん、その他)の死亡率
が測定されました。
13.4年間の追跡期間の結果、
合計1,915名の死亡、
416名の心血管死、
956名のがん死亡、
417名のその他の疾患による死亡(126名は死因不明)
が見いだされました。
回帰分析の結果、
オリーブオイルを摂取しない群に比べて、
4分位で最も摂取量が多い群では、
全死亡率が26%低下、
心血管死亡率が44%低下
というデータが示されています。
オリーブオイルの摂取量が、
エネルギー摂取量2000kcalあたり10グラム増えるにしたがって、
全死亡率が7%低下、
心血管死亡率が13%低下した
ということです。
なお、がんの死亡との相関は示されていません。
以上のデータから、
今回の地中海食のコホート試験において
オリーブオイルの摂取は、全死亡率および心血管死亡率を有意に低下させることが示唆されます。
オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、
エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用の有効性も示されています。
オリーブオイルを多用する地中海食は、心臓病などの生活習慣病の予防効果を示し、抗炎症作用を有する抗炎症ダイエットであることがわかっています。
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