サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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霊芝(レイシ)のがん治療における臨床的意義 [2012年06月20日(水)]
今月、コクラン共同計画から、霊芝(レイシ)によるがん治療についてのレビューが報告されていました。
(Cochrane Database Syst Rev. 2012 Jun 13;6:CD007731)



キノコ類には、ベータグルカンなどの多糖類が含まれており、免疫調節作用を介した抗がん作用や生活習慣病予防作用などが示唆されています。


そこで、食用キノコや薬用キノコは、健康食品・サプリメントの成分としても用いられています。


例えば、アガリクス霊芝メシマコブ、マイタケ
などです。



これらのキノコ類に関する研究として、まず、多くの基礎研究で抗がん作用や免疫調節作用が知られています。

臨床研究では、QOL改善作用を示した報告などがあります。

(がんの補完療法としてのRCTを組むのは容易ではありません。)




また、食用キノコとしてシイタケ(Lentinus edodes)には、有効成分としてレンチナン((1-6,1-3)-β-グルカン)が含まれています。




さて、今回の研究では、霊芝(学名Ganoderma lucidum)を対象に、がん治療に関する系統的レビューが行われました。



(なお、コクラン共同計画は、最も保守的な手法であり、サプリメントのみならず、多くの医薬品や医療での介入法に関して、「エビデンスが不十分」という結論を出すことで知られています。
コクランのもともとの発想は、まことしやかなものですが、個別化医療/全人的医療/テイラーメイド医療という見地からでは、平均値の議論になっており、臨床的な有用性が判定されないという印象です。)




今回の論文では、

霊芝は、アジアの医師によって、免疫力を賦活する目的で、広く推奨されている生薬であり、

基礎研究や予備的な臨床研究において、抗がん作用や免疫調節作用が示唆されている、

がん患者の間では、霊芝が補完療法として認知されている、

しかし、これまで、霊芝によるがん治療の有効性について、系統的レビューは行われていない、

と述べられています。




そこで、今回の研究では、

霊芝の臨床的意義として、

・長期生存

・腫瘍反応

・宿主免疫

・患者のQOL

・副作用/有害事象

について、検証が行われています。




具体的には、CENTRAL) MEDLINE, EMBASE, NIH, AMED, CBM, CNKI, CMCCといった主要なジャーナルデータベースを用いて、

2011年10月に検索が行われ、論文が抽出されました。




がん患者を対象に、

対照群(アクティブ対照あるいは偽薬)と、霊芝群を比較したRCTが選ばれています。

(がんは、あらゆるがんを対象。言語制限はなく抽出。)



5報のRCTが解析の対象となりました。



抗腫瘍効果はWHOクライテリアを用いて判断し、

免疫機能については、NK細胞、Tリンパ球サブセット、

その他、QOLが検証されています。



なお、今回の検索条件、選択条件では、
長期生存率に関する論文報告はありませんでした。

また、副作用報告は1報です。




検証の結果、
まず、方法論が十分に適切ではないとされました。


メタ解析によると、

がんの化学療法/放射線療法と併用して霊芝を利用したがん患者では、

化学療法/放射線療法単独群よりも、

より好ましい反応(抗がん効果)を示す傾向が認められました。

(RR 1.50; 95% CI 0.90 to 2.51, P = 0.02)




一方、霊芝単独投与群では、霊芝と標準治療(化学療法/放射線療法)との併用群に比べて、同等の効果は示されていません。




宿主免疫指標では、

霊芝投与によって、

CD3,CD4,CD8の割合が有意に増加しました。

(それぞれ、3.91% (95% CI 1.92% to 5.90%, P < 0.01), 3.05% (95% CI 1.00% to 5.11%, P < 0.01)、2.02% (95% CI 0.21% to 3.84%, P = 0.03))


また、NK細胞活性、CD4/CD8比も増加傾向が認められています。


4報では、霊芝投与群において、対照群に比べて、QOLの改善作用が示されました。


1報では、嘔気や不眠といった軽度な副作用が報告されています。

なお、血液生化学検査や肝機能検査では問題は見出されていません。





以上のデータから論文著者らは、

-- がん治療において霊芝をファーストライン治療(第一選択の治療)として利用することを正当化する十分な科学的根拠は見出せなかった、

-- 霊芝が長期がん生存率を改善するかは不明、

-- 一方、がん標準治療に霊芝を併用すること(霊芝を補完療法として用いること)は、宿主免疫の賦活作用が期待できる、

-- 一般に、安全性は高い、

-- 霊芝の利用には、一定の有効性が示唆され、許容性も高いが、費用対効果(経済性)の面および患者の価値観を考慮するべきである、

と考察しています。




現時点では、

がん治療における霊芝の利用は、

標準治療との併用が原則であり、

効果として、

標準治療への反応性を高めること、

標準治療の副作用を軽減すること、

免疫賦活作用

といった働きが期待され、

かつ、安全性/許容性は高い、

といえます。



一方、安全性・有効性に加えて、経済性(費用対効果)の点からも製品選びが大切でしょう。





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