サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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還元型コエンザイムQ10による腎機能改善作用 [2012年06月28日(木)]
腎臓病学の専門ジャーナルに、還元型コエンザイムQ10による腎機能改善作用を示した基礎研究が、東京大学のグループから報告されていました。
(Clin Exp Nephrol. 2011 Feb;15(1):30-3. )




コエンザイムQ10は、@抗酸化作用、AATP(エネルギー源)産生作用を介して健康保持や疾病予防に働きます。


もともと体内で合成される成分ですが、生活習慣病や加齢によって減少するため、アンチエイジング分野で広く利用されているサプリメントです。





さて、今回の研究では、還元型コエンザイムQ10(CoQ10)による腎機能保護作用が検証されました。


具体的には、3週齢の片腎摘出雄Sprague-Dawley ラットを

・通常食投与群(食塩0.3%)、

・高食塩投与群(8%)

・高食塩+CoQ10(600 mg/kg BW)併用投与群

の3群(各群n=10)に分けて

4週間の介入試験が行われました。




収縮期血圧、尿中アルブミン、酸化障害、腎組織中のCoQ10値などが調べられています。


解析の結果、

高食塩負荷群では、

収縮期血圧の上昇 (111.0 ± 3.6 vs. 169.4 ± 14.3 mmHg, p < 0.01)、

尿中アルブミンの増加 (43.8 ± 28.0 vs. 2528.7 ± 1379.0 &micro;g/day, p < 0.02)

が認められました。



また、腎組織における酸化ストレス障害の亢進も見出されています。

(866.3 ± 102.8 vs. 2721.4 ± 973.3 RLU/g kidney, p < 0.01)




一方、還元型CoQ10を投与した群では、

収縮期血圧の上昇は抑制 (143.9 ± 29.0 mmHg, p < 0.05)、

尿アルブミンの増加も抑制 (256.1 ± 122.1 &micro;g/day, p < 0.02)、

腎組織における酸化ストレス亢進も抑制(877.8 ± 195.6 RLU/g kidney, p < 0.01)

されました。



このとき、腎組織におけるCoQ10値の増加も見出されています。




以上のデータから、

還元型コエンザイムQ10(CoQ10)投与によって、抗酸化作用を介した、食塩負荷時における腎機能維持・改善作用が示唆されます。




今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。




一般に、腎臓疾患では、酸化ストレス亢進状態が認められるため、ビタミンCやビタミンEといった抗酸化ビタミン、抗酸化作用を示し腎疾患で低下するコエンザイムQ10をサプリメントとして投与することが推奨されます。








コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。






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