高血圧研究の専門ジャーナル(電子版)に、高血糖の状態において、ダークチョコレート投与による血管内皮機能改善作用を示した臨床研究が、イタリアのグループ(University of L'Aquila)から報告されていました。
(
Hypertension. 2012 Jul 30)
チョコレートには、カカオポリフェノールが含まれており、ポリフェノールの抗酸化作用を介した機能性が注目されています。
これまでの疫学研究や臨床試験では、高血圧症の改善、心血管疾患(動脈硬化性疾患)リスクの低減、抗がん作用などが報告されています。
健康増進・疾病予防という目的では、カカオの含有量が多いダークチョコレートの摂取がポイントです。
血管拡張に対しては、NO(一酸化窒素)が重要な役割を果たしています。
糖尿病や予備軍、あるいは食後の高血糖状態などでは、
血管内皮機能の障害が知られています。
ダークチョコレートは、健常者および軽症高血圧患者において、
FMDを増加させ、血管内皮機能を改善します。
しかし、高血糖状態において、ダークチョコレート投与による血管内皮機能への影響は知られていません。
そこで、今回の研究では、
フラボノイド系ファイトケミカルを豊富に含むダークチョコレートの摂取によって
・FMDおよび脈波伝搬速度、
・血圧、エンドセリン-1、酸化障害、
といった指標が、ブドウ糖負荷試験(OGTT)の前後で調べられています。
具体的には、健常者12名(男性5名、平均年齢28.2歳)を対象に、
・1日あたり100グラムのダークチョコレート
あるいは
・フラボノールポリフェノールを含まないホワイトチョコレート
のいずれかが3日間投与されました。
(7日間のwashoutでのクロスオーバー試験)
解析の結果、
ホワイトチョコレート投与群に比べて、
ダークチョコレート投与群では、
FMDの有意な改善(P=0.03)、
エンドセリン-1と8-iso-PGF(2α)値の有意な改善(P<0.05)
が認められました。
OGTT後では、
ホワイトチョコレート投与群では、FMDの有意な低下が示されました。
(1時間値と2時間値:7.88±0.68 to 6.07±0.76 (P=0.027), 6.74±0.51 (P=0.046))
また、血圧の上昇(悪化)、エンドセリン-1や8-iso-PGF(2α)の悪化も見出されています。
一方、ダークチョコレート投与群では、OGTTでもこれらの有意な変化は認められていません。
以上のデータから、
ブドウ糖負荷によって、一過性の血管内皮機能障害、酸化ストレスが生じること、
また、
これらの変化は、フラボノール系ファイトケミカルの豊富なダークチョコレートの投与によって抑制されることが示唆されます。
作用メカニズムとして、ファイトケミカルによる抗酸化作用が考えられます。
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