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オメガ3系脂肪酸DHAによる心房細動リスク低下作用 [2012年08月29日(水)]
今月の循環器病学の専門ジャーナル(電子版)に、オメガ3系脂肪酸(DHA)による心房細動リスク低下作用を示した基礎研究が、カナダのグループ(St. Michael's Hospital & University of Toronto)から報告されていました。
(Circ Arrhythm Electrophysiol. 2012 Aug 24.)




EPADHAといった魚油などに豊富に存在するオメガ3系必須脂肪酸は、不整脈抑制作用を有しており、心臓突然死の予防効果が知られている他、心房細動再発抑制作用も示唆されています。



これまでの研究では、

オメガ3系脂肪酸による除細動後の再発予防効果


が示されています。


(持続性心房細動は、除細動後の心房細動再発率が高い病態です。)



通常、オメガ3系脂肪酸は、EPAとDHAの組み合わせで投与され、さまざまな機能性を示すことが報告されています。




さて、今回の研究では、心房細動発症脆弱性(vulnerability)と心房リモデリングに対するEPAとDHAの効果が検証されました。



具体的には、34頭の実験犬を用いて、心房心室同時ペーシング(SAVP)が14日間行われています。


3群に分けて、

1群では、ペーシング開始7日前から合計21日間、DHAが1日1g投与、

1群では、同様の期間にEPAが1日1グラム投与、

1群では、対照群としてPUFAs非投与です。




電気生理学的検査が投与前と21日後に施行され、
心房組織の解析も行われています。





解析の結果、

持続性心房細動の誘発リスクは、

対照群に比べて、

DHA投与群において有意な低下が認められました。

(0% [0-3%] median [25-75 percentiles] for DHA vs. 3.1% [2.2-11%] for No-PUFAs, P=0.007)



一方、EPAでは有意差は示されていません。
(3.4% [1.9-8.9%])




DHA投与群では、対照群に比べて、心房組織の線維化も抑制されたのに対して、
(11±6% vs. 20±4% respectively, P<0.05)



EPA投与群では見出されませんでした。
(15±5%, P>0.05)






以上のデータから、
今回の基礎研究では、心房細動誘導に対するリスク低下および心房リモデリングに対して、DHAのほうがEPAよりも有用であることが示唆されます。




今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。





EPADHAなどのオメガ3系必須脂肪酸は、抗炎症作用・動脈硬化予防作用、認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。


EPAもDHAも、どちらも健康維持や疾病予防に重要です。


一般に、DHAは脳の栄養素、EPAは血管の栄養素といえるでしょう。




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