サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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マルチビタミンによるがんリスク低減効果 [2012年10月19日(金)]
今週の米国医師会ジャーナル(電子版)に、マルチビタミンサプリメントによるがん予防(がんリスク低減)効果を示した臨床研究が、米国のグループ(Brigham and Women's Hospital and Harvard Medical School)から報告されていました。
(JAMA, 2012; DOI: 10.1001)




一般に、マルチビタミンやマルチミネラルのサプリメントは、食事で不足しがちな必須栄養素を補う目的で用いられます。


したがって、よほど栄養状態に問題がある地域の対象者でないと、マルチビタミンでがん予防、という結果にはなりません。


(作用メカニズムとしては、ビタミンCやビタミンE、セレンといった抗酸化作用を持つ成分が、酸化障害の抑制を介して、抗がん作用を示す、となります。)



さて、今回の研究では、15,000名近い男性医師を対象に

長期に追跡調査した結果、

マルチビタミンサプリメントの利用によって、

大きな効果ではありませんが、統計学的に有意な作用として

がん予防(がんリスク低減)効果が見出されました。




具体的には、試験開始時に50歳以上の米国の男性医師14,641名を対象に、

マルチビタミン研究として、1997年から2011年6月1日まで追跡調査が行われています。

(被験者のうち1,312名は、がん既往あり)


(Physicians' Health Study (PHS) IIという研究で、マルチビタミンサプリメントによる慢性疾患を検証するための、大規模なランダム化二重盲検試験です。)




被験者には、毎日、

マルチビタミンサプリメント

あるいは

偽薬

のいずれかが投与されました。





主アウトカムは全がん発症です。

(ただし、メラノーマ以外の皮膚がんは除く。)



副アウトカムとして、前立腺がん、大腸がんなど部位別のがんも調べられています。




平均11.2年の追跡の結果、

2,669例のがんが見出されています。

(内訳:前立腺がん1,373例、大腸がん210例。)



また、追跡期間中に2,757名(18.8%)が死亡し、

そのうち、859名(5.9%)はがんによる死亡でした。



解析の結果、

マルチビタミンサプリメント投与群では、

偽薬群に比べて、

全がんリスクの有意な低下効果が認められています。

(8%のリスク低下作用。
HR:0.92; 95% CI, 0.86-0.998; P=.04)





また、上皮性腫瘍も同程度のリスク低下が認められています。


なお、がんの約半数は初期の前立腺がんでした。


前立腺がんに対するマルチビタミンの効果が見出されませんでしたが、


(今回の研究で半数を占める初期の)前立腺がんを除いた解析では、

マルチビタミンサプリメント投与によって、がんリスクの有意な低下が見出されたということです。



ただし、個別の部位別のがん(大腸がんや肺がん、膀胱がん、がん死亡率)について、有意差は認められませんでした。



マルチビタミンサプリメント投与は、

試験開始時にがんの既往を有していた1,312名の男性医師の間でも、

全がんリスク低下が見出されています。






この研究は、90年代後半に開始されたため、当時、すでに前立腺がんの標準的スクリーニングとして考えられていたPSA値によって、初期の低侵襲の前立腺がんが過剰に診断されている可能性があります。



これらの過剰診断の前立腺がんの影響によって、マルチビタミンの抗がん作用が明確に見出されにくくなっていることを考えると、
マルチビタミンサプリメント投与は、予想以上に、効果的かもしれません。



安全性、有効性、経済性(費用対効果)という点から、マルチビタミンサプリメントは、がんも含めた生活習慣病対策の一環として推奨できると考えます。



なお、がんの予防には、適切な食習慣や運動習慣が基本であり、サプリメント・健康食品がそれらに置き換わるわけではありません。



医療専門誌によるマルチビタミン摂取の推奨論文としては、次の2つがよく知られています。

(1)NEJM誌(1998)の論説

「Eat Right and Take a Multivitamin」

『適切な食事を摂り、マルチビタミンも利用しましょう』

(神経管欠損症予防、動脈硬化性疾患予防の意義)

(Oakely GP. NEJM. 1998 Editorial )


(2)JAMA誌(2002)の総説

「Vitamins for chronic disease prevention in adults」

『成人は、毎日、マルチビタミンサプリメントを摂取するべき』

(先進国では欠乏症は稀であるが、至適濃度を下回ることのリスクがある。)

(Fletcher.et al. JAMA. 2002 )






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