サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

2018年07月  >
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
カテゴリアーカイブ
最新記事
ノコギリヤシによる前立腺肥大症改善作用@多施設共同研究(イタリア) [2012年12月11日(火)]
泌尿器科学の専門ジャーナルに、ノコギリヤシによる前立腺肥大症関連症状への働きと、(前立腺がんマーカーである)PSA値への影響を調べた臨床研究が、イタリアのグループから報告されていました。
(Arch Ital Urol Androl. 2012;84:117-22.)




男性では、加齢に伴って前立腺肥大症(BPH)による排尿障害などの症状が生じます。



良性疾患である前立腺肥大症に対して、サプリメントでは、ノコギリヤシ(学名serenoa repens)が用いられています。


一方、高齢男性における悪性腫瘍に、前立腺がんがあります。


高齢者では健康診断でのスクリーニング検査として、PSA値(前立腺がん特異的マーカー)が測定されます。



ノコギリヤシの摂取によるPSA値への影響を想定する考えがあります。

ただし、
理論上の話であり、臨床的に問題なったケースは知られていません。




今回の研究では、あらためて、

ノコギリヤシの前立腺肥大症(BPH)に伴う下部尿路症状への作用、および関連指標への影響が検証されています。




具体的には、

イタリアにおける多施設共同研究として、

2010年9月から2011年11月の間に、

BPHおよび下部尿路症状を有する患者で、

PSA値が10 ng/ml未満であり、先行する前立腺生検が陰性であった被験者を対象に、

1日あたり、320mgあるいは640mgのノコギリヤシエキスが投与されました。




被験者は、298名の男性で、平均年齢63歳、平均PSA値は5.4 ng/ml、前立腺平均容積は57 ccでした。



介入は、

ノコギリヤシ単独投与、あるいはαブロッカー薬との併用です。




アウトカムとして、3ヶ月及び6ヶ月の時点での質問票による調査が行われ、

PSA値、IPSS(国際前立腺症状スコア)、IIEF-5(国際勃起機能指標)、

経直腸的前立腺超音波検査での評価も行われました。




解析の結果

まず、PSA値は、上昇することはなく、安定した推移を示しました。



PSA値が4 ng/mL未満であった被験者では、投与後にPSA値は低下しています。



(PSA値が高値の人が低下すると、偽陰性になってしまうので問題ですが、この研究では、PSA値がごく低い範囲の人だけで低下傾向となっています。)



尿流速計での指標は、両群(ノコギリヤシ単独投与群とαブロッカー併用群)において類似した変化であり、


平均中央値および最大値において、緩やかな改善傾向を示しました。



重度の症状を呈していた患者の割合は、顕著に減少しています。



IIEF-5スコアは、6か月後の追跡期間では特に変化は示されていません。



超音波検査では、ノコギリヤシ投与によって、炎症所見の改善が認められました。





以上のデータから、

ノコギリヤシ投与による前立腺肥大症に伴う症状の改善作用、

ノコギリヤシは副作用が少なく安全であること、

PSA値に対しては、有意な変化を及ぼさないこと、またPSA低値に対してはむしろ低下作用を示すことが示唆されます。






ノコギリヤシは、多くの臨床試験によって有効性が示されており、安全性の高いハーブです。医薬品と比べても副作用が少なく、広く推奨できるサプリメント成分です。



前立腺肥大症(BPH)は、勃起障害(ED)の原因ともなりますし、
BPHの治療に用いられるαブロッカーや5-α-還元酵素阻害薬といった薬の副作用として、EDが生じるリスクもあります。


一方、ハーブサプリメントでは、ノコギリヤシが、軽症から中等度のBPHの症状改善に有用であることが、これまでに多くの臨床研究によって示されています。




DHCでは関連製品として、

ノコギリヤシ


マカ


トンカットアリ


複合サプリメント

などがあります。




ノコギリヤシに関しての臨床試験や基礎研究では、次のような報告があります。



ノコギリヤシの安全性を示した臨床試験


・ノコギリヤシによる前立腺肥大症と勃起障害の症状改善作用


・前立腺の健康維持にはノコギリヤシ+リコピン+セレン


・ノコギリヤシによる細胞増殖抑制作用


・ノコギリヤシによるBPH症状改善作用



・ノコギリヤシの前立腺肥大症改善作用



・前立腺切除術前のノコギリヤシ投与の効果


・ノコギリヤシ複合サプリによる慢性前立腺炎改善効果


・ノコギリヤシ・カボチャ種子による前立腺肥大症


・前立腺切除術の出血にノコギリヤシは影響しない



・ノコギリヤシでは医薬品との相互作用報告はなし



・男性型脱毛症とノコギリヤシ


・ノコギリヤシの安全性に関する系統的レビュー


・前立腺炎に対する補完療法としてのノコギリヤシ






------------------------------------------------------------------
医療機関専用サプリメント【DHC FOR MEDIC】(DHCフォーメディック)

医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】

【健康食品FAQ】

【DHCの研究開発】
------------------------------------------------------------------



posted at 23:54 | この記事のURL
この記事のURL
http://www.dhcblog.com/kamohara/archive/2397
プロフィール


医学博士 蒲原聖可
自己紹介
ブログ
リンク集

http://www.dhcblog.com/kamohara/index1_0.rdf
ログイン
Mypagetopに戻る