前立腺肥大症に対する3機能成分(ノコギリヤシ・リコピン・セレン)の併用アプローチを提案した研究が、イタリアのグループから報告されていました。
(
Curr Med Chem. 2013 Jan 31.)
前立腺肥大症は、加齢によって生じる良性の疾患ですが、下部尿路症状(頻尿や残尿感など)によってQOLを低下させるため、高齢人口の増大に伴って、対策が求められます。
医薬品もありますが、ハーブサプリメントや食品成分によって、前立腺のアンチエイジングアプローチが可能です。
前立腺肥大症(BPH)の病態には、ジヒドロテストステロンによる抑制系のホメオスターシスが変化し、細胞増殖とアポトーシスのバランスが崩れることが関与しています。
そこで、植物療法として使われるのがノコギリヤシです。
ノコギリヤシの作用機序として、5α-reductase阻害作用(テストステロンからジヒドロテストステロンへの転換を阻害)、エストロゲン作用、抗アンドロゲン作用、抗炎症作用等が報告されています。
また、前立腺の健康維持には、必須ミネラルのセレンも重要です。
セレンは、抗酸化作用を示し、前立腺がんリスク低減目的で臨床試験に用いられています。
さらに、前立腺がんリスク低減効果が認められている食品成分として、リコピンがあります。
トマトに含まれる赤色色素の
リコピンは、抗酸化作用や抗がん作用を有しており、疫学研究では、肺がんや前立腺がん、大腸がん、脳卒中のリスク低減効果が示されています。
セレンやリコピンは、抗酸化作用・抗炎症作用を介して、前立腺肥大症に対しても、ノコギリヤシとシナジー効果があると推定されます。
具体的には、
アポトーシス誘導因子であるBaxやcaspase-9遺伝子の発現を促進し、
アポトーシス抑制因子であるBcl-2遺伝子発現を抑制、
また、過形成を呈した前立腺でのEDFやVEGF発現の抑制
といった機序が考えられています。
論文著者らは、ノコギリヤシ・セレン・リコピンの併用が前立腺肥大症に対するシナジーを得るために有用であると考察しています。
DHCでは関連製品として、
ノコギリヤシ、
マカ、
トンカットアリ、
複合サプリメント
などがあります。
ノコギリヤシに関しての臨床試験や基礎研究では、次のような報告があります。
男性型脱毛症(AGA)に対するノコギリヤシの効果
ノコギリヤシの安全性を示した臨床試験
・ノコギリヤシによる前立腺肥大症と勃起障害の症状改善作用
・前立腺の健康維持にはノコギリヤシ+リコピン+セレン
・ノコギリヤシによる細胞増殖抑制作用
・ノコギリヤシによるBPH症状改善作用
・ノコギリヤシの前立腺肥大症改善作用
・前立腺切除術前のノコギリヤシ投与の効果
・ノコギリヤシ複合サプリによる慢性前立腺炎改善効果
・ノコギリヤシ・カボチャ種子による前立腺肥大症
・前立腺切除術の出血にノコギリヤシは影響しない
・ノコギリヤシでは医薬品との相互作用報告はなし
・男性型脱毛症とノコギリヤシ
・ノコギリヤシの安全性に関する系統的レビュー
・前立腺炎に対する補完療法としてのノコギリヤシ
------------------------------------------------------------------
医療機関専用サプリメント【DHC FOR MEDIC】(DHCフォーメディック)
医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】
【健康食品FAQ】
【DHCの研究開発】
------------------------------------------------------------------