今月の産業衛生の専門ジャーナル(電子版)に、緑茶による酸化ストレスマーカーへの影響を調べた臨床研究が報告されていました。
(
Toxicol Ind Health. 2013 Apr 10.)
これまでの多くの疫学調査で、緑茶の摂取と、胃がんなどのリスク低下との関連が示されています。
また、基礎研究では、緑茶ポリフェノールによる抗がん作用や抗酸化作用が見出されており、緑茶による抗がん効果が確立されています。
(ただし、緑茶ポリフェノール/カテキンによる介入効果は緩徐であるため、その抗がん作用を見出すことができなかった偽陰性の疫学データも散見され、ネガティブデータを好んで取り上げるメディアでみることもあります。)
さて、今回の研究では、化学工場/研究室従事者における緑茶の抗酸化作用が検証されました。
化学原料の一部は、環境汚染物であり、
それらの利用は、特定の工場や研究室に限定されます。
これらの物質は、酸化障害を生じて毒性を示すため、緑茶カテキン類の抗酸化作用による働きが想定されます。
具体的には、
1日1回、入れたての緑茶(3 g/300 ml water)を投与し、
唾液中の酸化ストレスマーカー(総抗酸化能、グルタチオンペルオキシダーゼGPx、カタラー
ゼCAT、スーパーオキシドディスムターゼSOD)が緑茶の投与前後で測定されました。
(被験者の年齢や暴露時間など交絡因子で補正されています。)
28日間の緑茶投与によって、
唾液中のGPx活性は、有意に低下し、
(406.61 ± 22.07 vs. 238.96 ± 16.26 U/l p = 0.001)
総酸化能は有意に亢進しました。
(0.46 ± 0.029 μmol/ml vs. 0.56 ± 0.031, p = 0.016)
SODとCATには有意な変化は認められませんでした。
以上のデータから、
化学物質暴露環境において、
緑茶の習慣的な摂取は、
酸化ストレスマーカーを改善すると考えられます。
今後、臨書的意義の検証が期待されます。
DHCでは
カテキンの他、
緑茶製品も扱っています。
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