泌尿器科学の専門ジャーナル(電子版)に、ノコギリヤシによる勃起障害抑制作用を示した基礎研究が報告されていました。
(
Urology. 2013 Apr 23.)
男性では、加齢に伴って前立腺肥大症(BPH)による排尿障害などの症状が生じます。
良性疾患である前立腺肥大症に対して、サプリメントでは、
ノコギリヤシ(学名serenoa repens)が用いられています。
(ノコギリヤシは,多くの臨床試験によって有効性が示されており,安全性の高いハーブです。医薬品と比べても副作用が少なく,広く推奨できるサプリメント成分です。)
また、前立腺肥大症(BPH)は、勃起障害(ED)の原因ともなりますし、
BPHの治療に用いられるαブロッカーや5-α-還元酵素阻害薬といった薬の副作用として、EDが生じるリスクもあります。
一方、ハーブサプリメントでは、ノコギリヤシが、軽症から中等度のBPHの症状改善に有用であることが、これまでに多くの臨床研究によって示されています。
さて、今回の研究では、ノコギリヤシによる(陰茎)海綿体への作用が検証されました。
具体的には、Sprague-Dawleyラット(n=40)とNZラビット(n=30)を用いて、
ノコギリヤシ投与群(低用量、中用量、高用量の3群)と対照群の4群について比較が行われています。
(ノコギリヤシは7日間連続投与です。)
また、
シルデナフィル(バイアグラ)投与ラット群(n=23)において、勃起反応が誘導されています。
勃起機能は、ノコギリヤシ投与群では介入後24時間で評価され、シルデナフィルでは15分後に評価されました。
陰茎海綿体の電気的活動、5型ホスホジエステラーゼ (PDE5)活性、PDE5遺伝子発現、iNOS遺伝子発現などが測定されています。
(シルデナフィル/バイアグラは、PDE5酵素活性を阻害し、この作用が陰茎部のNO作動性神経に作用して血管を拡張させ、海綿体血流量が増えることによって機能を示します。)
解析の結果、
ノコギリヤシ投与群では、海綿体の神経での電気的刺激に対する反応は、用量依存的に増加していました。
同様の結果がシルデナフィル投与ラット群でも見出されています。
PDE5活性は、
ノコギリヤシ投与のラットおよびラビットのいずれでも用量依存的に抑制が認められました。
一方、
iNOS遺伝子発現は、対照群に比べて、ノコギリヤシ投与群で有意な増加が示されています。
以上のデータから、
ノコギリヤシは、
陰茎海綿体において、iNOS遺伝子発現の増加およびPDE5活性の阻害を介して、
勃起障害を抑制すると考えられます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
DHCでは関連製品として、
ノコギリヤシ、
マカ、
トンカットアリ、
複合サプリメント
などがあります。
ノコギリヤシに関しての臨床試験や基礎研究では、次のような報告があります。
男性型脱毛症(AGA)に対するノコギリヤシの効果
ノコギリヤシの安全性を示した臨床試験
・ノコギリヤシによる前立腺肥大症と勃起障害の症状改善作用
・前立腺の健康維持にはノコギリヤシ+リコピン+セレン
・ノコギリヤシによる細胞増殖抑制作用
・ノコギリヤシによるBPH症状改善作用
・ノコギリヤシの前立腺肥大症改善作用
・前立腺切除術前のノコギリヤシ投与の効果
・ノコギリヤシ複合サプリによる慢性前立腺炎改善効果
・ノコギリヤシ・カボチャ種子による前立腺肥大症
・前立腺切除術の出血にノコギリヤシは影響しない
・ノコギリヤシでは医薬品との相互作用報告はなし
・男性型脱毛症とノコギリヤシ
・ノコギリヤシの安全性に関する系統的レビュー
・前立腺炎に対する補完療法としてのノコギリヤシ
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