サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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重症うつ病(+不安障害)患者ではオメガ3系脂肪酸が低い [2013年08月24日(土)]
臨床精神医学の専門ジャーナルに、重症うつ病におけるオメガ3系必須脂肪酸値を調べた臨床研究が、米国のグループ(Columbia University)から報告されていました。
(J Clin Psychiatry. 2013 Jul;74(7):732-8)



オメガ3系必須脂肪酸(EPAやDHA)は、抗うつ作用、うつ病リスク低減作用を有しています。


20年ほど前に報告された疫学研究において、魚類の摂取量(=オメガ3系必須脂肪酸の摂取量)が、うつ病のリスクと負の相関にあることが示され、それ以来、注目されています。


EPAおよびDHAによるうつ病リスク低減効果・抗うつ作用には十分なエビデンスが存在します。




さて、今回の研究では、

重症うつ病に合併した不安障害と、オメガ3系必須脂肪酸との関連が調べられました。



具体的には、

2006年10月から2010年5月の間に登録された、

投薬治療を受けていない重症うつ病(DSM-IV)患者を対象に、


不安障害を合併した重症うつ病患者(n = 18)、


不安障害を有していない重症うつ病患者(n = 41)


および、


健康なボランティア(n = 62)の3群を対象に、


うつ病および不安障害の重症度が17項目HDRS(Hamilton Depression Rating Scale)にて評価され、


血中のオメガ3系必須脂肪酸(EPA、DHA)の測定、

オメガ6系脂肪酸(アラキドン酸)の測定が行われました。


(被験者は、18歳から73歳、平均年齢35.8 ± 12.6歳)





解析の結果、

まず、

健常者に比べて、


重症うつ病患者では、

血中のDHA値とEPA値が低く、

アラキドン酸:EPA値が高い(アラキドン酸値が高い)ことが見出されました。



次に、

不安障害合併の有無による比較では、

不安障害のない重症うつ病患者に比べて、


不安障害を合併した重症うつ病患者では、

DHAとEPAが低値であり、

アラキドン酸:EPA比が高値であったということです。



なお、

うつ病の重症度とオメガ3系必須脂肪酸との間の相関は見出されませんでしたが、

不安障害の重症度は、DHA値、EPA値と負の相関を示し、

アラキドン酸:EPA比と正の相関を示しました。

(つまり、アラキドン酸が多いと、不安障害合併が多い、ということです。)




以上のデータから、

健常者に比べて、

重症うつ病患者では、

オメガ3系必須脂肪酸(DHAやEPA)が低く、

アラキドン酸が多いことが示唆されます。


また、この相関は、不安障害を合併した重症うつ病患者においてさらに顕著でした。






EPADHAなどのオメガ3系必須脂肪酸は、抗炎症作用・動脈硬化予防作用、認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。





うつ病についての研究として、次のような報告があります。



DHAによる重症うつ病改善作用



うつ病に対するEPAの効果



抗うつ作用のあるサプリメントレビュー



セントジョーンズワートはSSRIと同等の抗うつ作用を示す



うつ病治療におけるセントジョーンズワートの費用対効果



うつ病へのビタミンDサプリメント投与



緑茶による報酬学習の改善と抗うつ作用




野菜と果物の摂取が多い高齢者はうつ病リスクが低い




若年女性における葉酸の抗うつ作用



うつ病ではビタミンDが低値



コーヒーの摂取が女性のうつ病リスクを抑制



ビタミンB群が脳卒中後のうつ病を予防





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