今月の科学誌に、小児の神経病患者によるCAM(補完代替医療)の利用状況を調べた研究が、カナダのグループ(University of Alberta)から報告されていました。
(
PLoS One. 2014 Apr 15;9(4):e94078.)
先行研究によると、
神経疾患を有する小児の60%が、何らかのCAM(補完代替医療)を利用しているとされています。
今回の研究では、
カナダのアカデミックセンターの神経病クリニック2ケ所において、
小児患者のCAM利用状況が調べられました。
具体的には、
エドモントンのStollery子供病院と、
オタワのEastern Ontario子供病院の2ヶ所で、
CAM製品や療法、利用状況と理由、標準治療との併用について調査が行われました。
合計206名(エドモントン151名、オタワ55名)の結果が得られました。
患者の平均年齢は、9.6歳でした。
CAM利用率は、
エドモントンのStollery子供病院では78%、
オタワのEastern Ontario子供病院では48%
でした。
利用率が高いCAM製品は、
マルチビタミン類(84%)、
ビタミンC (37%)、
ホメオパシー(24%)、
魚油/オメガ3系脂肪酸(22%)
などでした。
CAM療法は、
マッサージ療法 (47%)、
カイロプラクティック(37%)、
信仰/ヒーリング (18%)、
アロマセラピー (16%)、
ホメオパシー (16%)、
リラクセーション (16%)
となっています。
患者の多くが、CAM製品と、標準療法とを併用していましたが、
CAMについて主治医と相談していたのは、57%でした。
また、
患者は、
CAM製品/療法が有用であると実感しており、
有害事象は認められなかったということです。
以上のデータから、
カナダにおいて、
神経疾患を有する小児患者の間ではCAM製品/療法が比較的広く利用されていることが示唆されます。
なお、本調査では、
利用者の半数以上が主治医と相談していますが、
標準治療との併用時には、必ず担当医に申告することが、安全性・有効性・経済性を判断するために必要と考えられます。
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