今月の泌尿器科学の専門ジャーナルに、慢性細菌性前立腺炎に対する抗生物質とノコギリヤシサプリメントの併用投与による効果を示した臨床研究が報告されていました。
(
BMC Urol. 2014 Jul 19;14(1):53.)
慢性細菌性前立腺炎は、
前立腺疾患の5-10%程度を占めており、
局所の疼痛などさまざまな症状を伴い、QOL(生活の質)に影響します。
一般に、
治療には、フルオロキノロンなどニューキノロン系抗生物質の単独投与が行われます。
今回の研究では、
標準治療の抗生剤のみに加えて、補完療法としてのノコギリヤシの働きが検証されました。
具体的には、
慢性細菌性前立腺炎患者210名を対象に、
フルオロキノロン600mgの21日間投与に加えて、
ノコギリヤシ320mgと
ラクトバシラス(乳酸菌Lactobacillus sporogenes)200mg
アルブチン100mgの複合サプリメントを30日投与する介入試験が行われました。
なお、被験者は、Meares-Stameyテスト陽性で、症状が3カ月以上、継続しています。
被験者は、抗生剤単独投与群と、抗生剤+サプリメント投与群の2群に分けられています。
解析の結果、
2か月後の時点での再発患者数は、
単独投与群では、
21名(27.6%) であったのに対して、
併用投与群では
6 名(7.8%)でした。
その他、
質問票(NIH-CPSI)スコアでも有意な改善が認められています。
以上のデータから、
慢性細菌性前立腺炎に対して、
標準治療の抗生物質に加えて、
ノコギリヤシ含有複合サプリメントの併用による相加的な効果が示唆されます。
DHCでの関連製品としては、
ノコギリヤシ、
マカ、
トンカットアリ、
複合サプリメント
などがあります。
ノコギリヤシに関しての臨床試験や基礎研究では、次のような報告があります。
男性型脱毛症(AGA)に対するノコギリヤシの効果
ノコギリヤシの安全性を示した臨床試験
・ノコギリヤシによる前立腺肥大症と勃起障害の症状改善作用
・前立腺の健康維持にはノコギリヤシ+リコピン+セレン
・ノコギリヤシによる細胞増殖抑制作用
・ノコギリヤシによるBPH症状改善作用
・ノコギリヤシの前立腺肥大症改善作用
・前立腺切除術前のノコギリヤシ投与の効果
・ノコギリヤシ複合サプリによる慢性前立腺炎改善効果
・ノコギリヤシ・カボチャ種子による前立腺肥大症
・前立腺切除術の出血にノコギリヤシは影響しない
・ノコギリヤシでは医薬品との相互作用報告はなし
・男性型脱毛症とノコギリヤシ
・ノコギリヤシの安全性に関する系統的レビュー
・前立腺炎に対する補完療法としてのノコギリヤシ
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