今月の耳鼻咽喉科の専門ジャーナルに、イチョウ葉エキスによるめまい改善作用を示した臨床研究が、ドイツとウクライナのグループから報告されていました。
(
Int J Otolaryngol. 2014;2014:682439.)
イチョウ葉エキスは、抗酸化作用や血小板凝集抑制作用、循環改善作用を有し、認知症の予防や閉塞性硬化症の改善に用いられるハーブサプリメントです。
イチョウ葉エキスには、特有のフラボノイド系ファイトケミカルが存在し、抗酸化作用や抗炎症作用、血小板凝集作用などを介して、効果を発揮します。
これまでに多くの臨床研究が行われており、認知症などに対して有効性と安全性が示されています。
(
イチョウ葉エキスによる認知症改善効果@ドイツ)
(
イチョウ葉エキスの有効性と安全性)
(
イチョウ葉エキス20年間摂取による認知機能低下抑制作用)
(
イチョウ葉エキスと認知症治療薬のシナジー)
さて、今回の研究では、
イチョウ葉エキスによるめまい(眩暈)への働きが検証されました。
めまいを生じる疾患としては、メニエール病がよく知られています。
めまいの原因には、平衡感覚にかかわる耳の三半規管が関与していると考えられています。
メニエール病では内耳のリンパ水腫による平衡感覚の障害でめまいが生じます。
ベタヒスチン(商品名:メリスロン)は、メニエール病に伴うめまいや難聴などの症状を改善する医薬品です。
今回は、多施設共同研究として、
めまいを有する患者160名(平均年齢58歳)を対象に、
二重盲検法にて、
1日あたり240mgのイチョウ葉エキス(EGb 761)
あるいは
32mgのベタヒスチンが
12週間投与されました。
アウトカムとして、
めまい関連指標が測定されています。
(指標は、
11-point numeric analogue scale,
the Vertigo Symptom Scale-short form,
the Clinical Global Impression Scales,
the Sheehan Disability Scale
が用いられました)
解析の結果、
アウトカムの指標について、両群間で有意差は認められませんでした。
症状の改善が認められた患者数は、
イチョウ葉エキス投与群のほうが、ベタヒスチン投与群よりもわずかですが多いという結果になっています。
また、
CGI(Clinical global impression)スコアでは、
「非常に改善した」、あるいは「改善した」という被験者は、
イチョウ葉エキス投与群では79%、
ベタヒスチン投与群では70%
でした。
有害事象については、
イチョウ葉エキス投与群では19名の患者で27件の報告があり、
ベタヒスチン投与群の31名の患者で39件よりも少なく、
イチョウ葉エキス投与群のほうが、
許容性が高いことが示されました。
以上のデータから、
めまいに対して、
イチョウ葉エキスは、
医薬品のベタヒスチンと同等以上の改善効果があり、
かつ、
医薬品よりも副作用が少ないことが示唆されます。
イチョウ葉エキスは、抗酸化作用や循環改善作用があり、認知症や間欠性跛行の改善作用の他、
高山病のリスク低減、めまいの改善といった効果が示されています。
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