今月の緑内障研究の専門ジャーナルに、開放隅角緑内障に対するコエンザイムQ10とビタミンEの作用を示した臨床研究が、イタリアのグループから報告されていました。
(
J Glaucoma. 2014 Aug;23(6):391-404)
今回の研究では、コエンザイムQ10とビタミンE含有点眼液投与による
開放隅角緑内障患者(OAG)への働きが検証されました。
具体的には、
OAG患者43名(平均年齢52.5歳、眼圧18mmHg未満で、βブロッカー単独投与)を対象に、
2群に分けて、
コエンザイムQ10とビタミンD含有点眼液(Coqun、2滴/日)+βブロッカー併用群(22名)
あるいは、
βブロッカー単独投与群(21名)
について、
パターン網膜電図(*PERG*)及び視覚誘発電位(VEP)を指標として、12ヶ月間の介入が行われています。
投与開始時には、
いずれの指標でも各群に差はありません。
12ヶ月間の介入後、
βブロッカー単独投与群では、PERGやVEPにおいて投与前と変化は認められませんでした。
一方、
コエンザイム10+ビタミンE併用投与群では、
投与前に比べて、
ERG P50 およびVEP P100時間の減少、
PERG P50-N95 およびVEP N75-P100の振幅の有意な増加が見出されました。
投与前に比べて、12ヶ月後の時点での
VEP時間の改善は、PERG P50-N95の振幅の変化と有意な正相関が認められました。
以上のデータから、
コエンザイムQ10とビタミンEによるPERG改善(inner retinal functionの改善)およびVEPの改善(visual cortical responseの改善)が示唆されます。
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、
酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、
還元型CoQ10の利用が推奨されます。
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