高齢者において、緑茶摂取による酸化ストレス軽減作用を示した臨床研究が、イスラエルのグループ(Technion-Israel Institute of Technology)から報告されていました。
(Adv Exp Med Biol. 2014 Oct 10)
緑茶には、ファイトケミカルの1種、カテキン類が含まれており、抗酸化作用や抗炎症作用を介した生活習慣病予防効果が知られています。
先行研究では、
健常高齢者において、
ビタミンEサプリメントと緑茶摂取によるタンパク質の酸化抑制、赤血球中の抗酸化作用亢進が示されています。
今回の研究では、
高齢者における緑茶摂取の抗酸化能が検証されました。
具体的には、
クロスオーバー法にて、
健康な高齢者35名(67.3歳)を対象に、
1日あたり4杯のマルトデキストリン含有対照群を12週間投与し
次に、
1.5グラムの緑茶のテーバッグを1日4回、
12週間投与し、
抗酸化関連指標が測定されました。
解析の結果、
酸化ストレス障害(AAPH、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩)による溶血反応の有意な抑制が認められました。
(10.2 %, p < 0.001)
また、唾液中の総抗酸化能は、42.0%と有意に亢進しました。
(p < 0.01)
なお、赤血球のカタラーゼ活性には有意な変化は認められませんでした。
唾液中のペルオキシダーゼ酵素活性に変化はありません。
血中酸化障害物質(タンパク質カルボニル、過酸化脂質、TBARS)も特に有意な変化は見出されていません。
以上のデータから、
論文著者らは、
健康な高齢者において、
緑茶の摂取により、赤血球での酸化障害に対する抵抗性亢進作用および唾液中の総抗酸化能増大作用が示唆されます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
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