今月の栄養学の専門ジャーナルに、オリーブ由来ポリフェノールによる骨代謝改善(オステオカルシン値の上昇)および脂質異常症改善作用を示した臨床研究が、オランダのグループから報告されていました。
(
J Nutr Health Aging. 2015;19(1):77-86.)
健康寿命の延伸のためには、
ロコモティブ症候群のリスクのひとつである骨粗鬆症の対策が急務とされています。
骨粗鬆症では、骨代謝の障害、骨密度や骨強度の低下が見られます。
基礎研究では、
オリーブ由来ポリフェノールによる骨喪失抑制、骨芽細胞活性亢進が示唆されています。
(オリーブポリフェノールは、オリーブの葉やオイルに存在します。
オリーブポリフェノールは、エクストラバージンオリーブオイルに豊富に含まれています。)
今回の研究では、
閉経後の女性において、
オリーブ抽出物による骨代謝への作用が検証されました。
具体的には、
二重盲検偽薬対照試験として、
腰椎(L2-L4)の骨密度が平均を下回り、骨粗鬆症の高リスク群の閉経後の女性64名を対象に、
・1日あたり250mgのオリーブ抽出物+1,000mgのカルシウムの併用投与群、
・1日あたり1,000mgのカルシウム投与群(対照群)
の2群について、
主アウトカムを骨代謝マーカー、
副アウトカムを骨密度(BMD)と脂質代謝指標として、
12ヶ月間の投与が行われています。
(骨代謝マーカーとして、
オステオカルシンが知られています。
オステオカルシンは、
(ビタミンK依存性カルシウム結合)非コラーゲン性タンパク質です。
骨芽細胞で産生され、骨芽細胞に特異的なマーカーで、
Gla型オステオカルシンは、骨形成の指標としてもちいられます。
解析の結果、
12ヵ月後の時点において、
対照群(カルシウム単独投与群)に比べて、
オリーブ抽出物とカルシウムの併用投与群において、
オステオカルシン値の有意な上昇が認められました。
また、
骨密度は、
対照群において低下が認められ、
オリーブ抽出物とカルシウム併用投与群では、骨密度は維持されています。
さらに、
脂質代謝に関しては、
オリーブ抽出物とカルシウム併用投与群において、LDLコレステロール低下が見出されました。
以上のデータから、
骨粗鬆症のリスクの高い閉経後の女性において、
オリーブポリフェノールとカルシウムの併用投与による骨代謝改善作用および脂質代謝改善作用が示唆されます。
オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、
エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用の有効性も示されています。
地中海食は、スペインやギリシャ、南フランスなど地中海地方の伝統食です。
野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。
地中海食は、健康増進や疾病予防に有用であることが知られており、多くの研究によってエビデンスが示されています。
地中海食やオリーブオイルの効能については、多くのエビデンスが報告されています。
地中海食で死亡率が半減する
低炭水化物(糖質制限)食と地中海食は低脂肪食よりも有効
オリーブオイルの摂取10gで全死亡率が7%低下
地中海食がメタボを抑制
バージンオリーブオイルとナッツ類を含む地中海食の抗炎症作用
バージンオリーブオイルの心臓病予防作用
オリーブオイルによる皮膚の老化抑制作用
地中海食による認知症予防効果
地中海食+CoQ10サプリによる抗酸化作用
超低炭水化物・地中海食による減量効果
地中海食による高尿酸血症リスクの低下
オリーブオイルによる動脈硬化抑制作用
バージンオリーブオイルによる骨代謝改善作用
オリーブオイルとナッツによる心血管リスク低下作用
伝統的地中海食による脂質代謝改善作用
オリーブオイルによる膀胱がんリスク低下
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