臨床栄養学の専門ジャーナルに、高用量の緑茶抽出物による減量効果を示した臨床研究が、台湾のグループ(National Yang-Ming University)から報告されていました。
(
Clin Nutr. 2015 May 29.)
緑茶には、ファイトケミカルの1種、カテキン類が含まれており、抗酸化作用や抗炎症作用を介した生活習慣病予防効果が知られています。
今回の研究では、
緑茶カテキン(EGCG:エピガロカテキンガレート)を含む緑茶抽出物による脂質代謝への作用および減量効果が検証されました。
具体的には、
ランダム化二重盲検試験として、
腹部肥満の女性102名(BMI 27以上、ウエスト周囲径80cm以上)を対象に2群に分け、
・1日あたり856.8 mgの緑茶カテキン投与群
・投与群
の2群について、12週間の介入試験が行われています。
解析の結果、
12週間の緑茶カテキン投与により、
体重の有意な減少、
(76.8 ± 11.3 kg から 75.7 ± 11.5 kgへ (p = 0.025))
BMIの有意な低下
(p = 0.018)
ウエスト周囲径の有意な減少
(p = 0.023)
が見出されました。
また、
総コレステロールの低下傾向(5.33%)
LDLコレステロールの低下傾向も認められています。
その他、
偽薬群に比べて、
介入群では、
血中グレリン値の有意な低下、
アディポネクチン値の有意な上昇が見出されました。
なお、緑茶カテキン摂取に関して、特に問題となる有害事象は認められませんでした。
以上のデータから、
高用量の緑茶カテキンによる減量効果および脂質代謝改善作用が示唆されます。
緑茶に関する最近の研究では、次の報告があります。
緑茶による高血圧・脂質代謝改善@メタ解析
緑茶による高血圧改善作用:メタ解析
コーヒーと茶飲料によるメタボリック症候群リスク低下
緑茶摂取による胃がんリスク低下効果
緑茶による酸化ストレス軽減作用@高齢者
緑茶による高齢者での認知機能改善効果
緑茶カテキンによる運動時の抗酸化能亢進作用
緑茶による報酬学習の改善と抗うつ作用
緑茶による脳内炎症抑制と脳神経保護作用
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