今月の植物療法研究の専門ジャーナル(電子版)に、ノコギリヤシによる抗炎症作用、抗酸化作用、前立腺肥大改善効果を示した基礎研究が報告されていました。
(
Phytother Res. 2015 Jun 24)
男性では、加齢に伴って前立腺肥大症(BPH)による排尿障害などの症状が生じます。
良性疾患である前立腺肥大症に対して、サプリメントでは、
ノコギリヤシ(学名serenoa repens)が用いられています。
さて、今回の研究では、
ノコギリヤシによる炎症や酸化障害への作用が検証されました。
具体的には、
テストステロン誘導性前立腺肥大症モデル肥満ラットを用いて、
ノコギリヤシの投与による、
酸化ストレス関連マーカー
(総窒素量、MDA、総グルタチオン、SOD、カタラーゼ活性)
および、
炎症関連マーカー
(TNF-α, IL-1β, IL-6)
成長因子(FGFb)
への影響が測定されています。
解析の結果、
まず、
肥満ラットでは、
対照群に比べて、
前立腺重量の増加が認められました。
ノコギリヤシ投与によって、
前立腺重量の有意な減少、
総窒素量、MDAの有意な減少、
総グルタチオン、SOD、カタラーゼ活性の有意な増加(改善)が見出されました。
また、
炎症関連マーカー
(TNF-α, IL-1β, IL-6)
細胞増殖因子
(VEGF, FGFb)
の有意な減少(改善)も認められました。
以上のデータから、
ノコギリヤシによる抗酸化作用および抗炎症作用が、前立腺肥大症の病態において好影響を与えると考えられます。
なお、
ノコギリヤシの作用機序として、5α-reductase阻害作用(テストステロンからジヒドロテストステロンへの転換を阻害)が知られています。
ノコギリヤシに関しての臨床試験や基礎研究では、次のような報告があります。
ノコギリヤシ+ハルナール併用はハルナール単独よりも有効
男性型脱毛症(AGA)に対するノコギリヤシの効果
ノコギリヤシの安全性を示した臨床試験
・ノコギリヤシによる前立腺肥大症と勃起障害の症状改善作用
・前立腺の健康維持にはノコギリヤシ+リコピン+セレン
・ノコギリヤシによる細胞増殖抑制作用
・ノコギリヤシによるBPH症状改善作用
・ノコギリヤシの前立腺肥大症改善作用
・前立腺切除術前のノコギリヤシ投与の効果
・ノコギリヤシ複合サプリによる慢性前立腺炎改善効果
・ノコギリヤシ・カボチャ種子による前立腺肥大症
・前立腺切除術の出血にノコギリヤシは影響しない
・ノコギリヤシでは医薬品との相互作用報告はなし
・男性型脱毛症とノコギリヤシ
男性型脱毛症(AGA)に対するノコギリヤシの効果
・ノコギリヤシの安全性に関する系統的レビュー
・前立腺炎に対する補完療法としてのノコギリヤシ
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