サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

2015年08月  >
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
カテゴリアーカイブ
最新記事
HIV治療におけるビタミンD3サプリメント投与の有用性 [2015年08月21日(金)]
今日の夕方、東京駅近くの会議室で、学会誌に掲載用の座談会と、学会の臨時理事会がありました。
座談会では司会を務めさせていただきました。



さて、本日の私的なお勉強日記です。

今月の栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、HIV治療におけるビタミンD3サプリメントの有用性を示した臨床研究が、米国とブラジルのグループから報告されていました。
(Nutr J. 2015 Aug 18;14(1):81.)



HIV感染での抗ウイルス療法(ART)では、

ARTによるビタミンD代謝への影響から、

ビタミンD欠乏のリスクが高まります。


ビタミンDは、免疫賦活作用を有しているため、HIV治療におけるビタミンD低下は好ましくないと考えられます。




そこで、今回の研究では、

HIV感染者において、ビタミンDの充足と臨床所見との相関が検証されました。


具体的には、
ART治療中でウイルス数が低い(HIV-1 RNA <50 copies/mL)HIV陽性の成人を対象に、

ビタミンD充足群とビタミンD不足群に分け、

(充足群と不足群は、血中25(OH)D値にて、30以上、あるいは 30 未満ng/mLで区分)


ビタミンD不足群には、

オープンラベル試験として、

50,000 IUのビタミンD3を1週間あたり2回、5週間投与し、
続いて、8000 IUを1週間に2回の投与として、24週間の介入が行われています。


主エンドポイントは、
24週間後の時点で、
25(OH)D値が、30 ng/mL以上に到達するかどうか、です。




97名が試験に参加し、

34名がビタミンD充足群、
63名がビタミンD不足群でした。

(女性32%、非白人47%、平均年齢46歳、ATR期間は5年間、CD4は 673 cells/mm(3))


ビタミンD値(25(OH)D)は、83%の被験者で回復しました。

これは、CD4数およびプロテアーゼ阻害剤の期間と有意に相関していました。


年齢、性別、人種で補正後、

efavirenz服用では、24週間後のビタミンD値が21.1 ng/mL高く、

zidovudine服用では、7.1 ng/mL低いこと、

また、
25(OH)Dが1 ng/mL増えるごとに、

CD4数が3.3 cell/mm(3)増加する、という相関が見出されました。
(p&#8201;=&#8201;0.06)


以上のデータから、

HIV感染者で、抗ウイルス治療を受けている患者では、ビタミンD不足が効率に見られること、

ビタミンD不足は、ビタミンD3サプリメントの投与により回復し、
それに伴って免疫関連指標も改善する
ことが示唆されます。




近年、ビタミンDは、骨の健康維持だけではなく、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な効果が示されています。


一般に、
健康保持や疾病予防、ヘルシーエイジングを目的としたビタミンD3サプリメントは、

1日あたり

25マイクログラム(1,000 IU)から、50マイクログラム(2,000 IU)が推奨されます


ビタミンD3サプリメントは、安全性、有効性、経済性に優れていますので、健康保持や疾病予防、あるいは多くの疾患での栄養状態を改善する前提条件に、ベーシックサプリメントとして広く利用されることが推奨できます。



多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。

米国での関連学会は、下記の推奨をしています。


米国老年医学会は、1日あたり4,000 IUを推奨

米国老年医学会(AGS)では、高齢者における転倒や骨折を予防するために、血中ビタミンD値(25OH-D)が30 ng/mL (75 nmol/L)は必要としています。

そして、ビタミンDの推奨量は、1日あたり4,000 IUとしています。

(これは、食事、サプリメント、日光暴露による総量です。
なお、この量は、現実的には食事のみからでは不可能であるため、サプリメントを利用することになります。)


米国内分泌学会は、1日あたり1,500 IU〜2,000 IUを推奨

米国内分泌学会のガイドラインでは、1日あたりの所要を男女とも年齢によって、次の3段階に分けています。
1歳未満の乳児は400〜1,000 IU、
1歳〜18歳では600〜1,000 IU、
19歳以上では1,500 IU〜2,000 IU


サプリメントでは、ビタミンD3が用いられます。





日本からの報告では、

ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果


が知られています。


また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。


(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)



今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。


日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。


たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足


血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い

というデータがあります。




DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。


ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、

臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000 IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/mL増加する、

という報告もあります。

マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。






------------------------------------------------------------------

医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】


業界最大手の責任として――ここまでやるのが、DHC品質


【DHC健康食品相談室】


【DHCの研究開発】


【健康食品FAQ】


DHCが第1位@利用している(利用したい)メーカー(経産省の調査)

------------------------------------------------------------------

posted at 23:54 | この記事のURL
この記事のURL
http://www.dhcblog.com/kamohara/archive/3382
プロフィール


医学博士 蒲原聖可
自己紹介
ブログ
リンク集

http://www.dhcblog.com/kamohara/index1_0.rdf
ログイン
Mypagetopに戻る