今月のがんの緩和医療の専門ジャーナル(電子版)に、ビタミンDサプリメントによる大腸がん患者でのQOLへの作用を調べた臨床研究が、米国のグループ(Indiana University)から報告されていました。
(
Support Care Cancer. 2015 Sep 26.)
がんの統合医療では、予防(リスク低減)や治療、再発予防、緩和療法において、機能性食品成分・サプリメントが利用されています。
今回の研究では、大腸がん患者において、ビタミンDサプリメントによるQOLへの影響が検証されました。
具体的には、新規に大腸がんステージ2と診断された患者453名を対象に、
(米国のNorth Carolina Central Cancer Registryでのがん登録データです)
診断時に、
ライフスタイルなどに関する面接調査が行われ、
ビタミンDサプリメントが投与され、
投与開始時、12ヵ月後、24ヵ月後に、
FACT-C とSF-12を用いてQOLが調べられました。
解析の結果、
交絡因子の補正後に、
24ヵ月後の時点において、
ビタミンDサプリメントの利用者では、
非利用者に比べて、
FACT-C でのCCS スコアでの有意な好影響が見出されたということです。
また、
この相関は、カルシウムの利用者でも認められました。
なお、
大腸がんの再発や死亡率に関して、ビタミンDの作用は見出されていません。
以上のデータから、
大腸がん(ステージ2)と診断された患者において、
ビタミンDサプリメント(およびカルシウムサプリメント)の摂取によるQOL改善作用が示唆されます。
がん患者のQOL改善作用に関しては、
アガリクスや霊芝による効果が報告されています。
例えば、下記の研究があります。
アガリクスによるがん患者のQOL改善作用
コクランでは、霊芝のレビューが示されています。
(
霊芝(レイシ)のがん治療における臨床的意義)
DHCでは、下記の機能性成分を製品化しています。
アガリクス 30日分
「神のキノコ」アガリクスのバリアパワーが、健やかな生涯をサポート
霊芝(れいし) 30日分
“幻のキノコ”霊芝パワーで健康生活
昆布+フコイダン 30日分
からだ本来の“はね返す力”を応援! 海洋由来の天然成分にサポート成分もプラス
フコイダン 30日分
海藻パワーでバランスを整える
近年、ビタミンDの機能性として、免疫調節作用や抗がん作用、インフルエンザ予防作用なども見出されてきました。
日本からの報告では、
ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果
が知られています。
また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。
(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)
今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。
日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。
たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足、
血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い
というデータがあります。
DHCでは、
ビタミンD3サプリメントを製品化しています。
ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、
臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/ml増加する、
という報告もあります。
マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。
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