今月の栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、地中海食+エクストラバージンオリーブオイルによる高血圧改善作用の分子メカニズムを示した臨床研究が、スペインのグループ(University of Barcelona)から報告されていました。
(
Eur J Nutr. 2015 Oct 8.)
血中NO(一酸化窒素Nitric oxide)は、血管内皮細胞から産生され、
血管拡張作用(降圧作用)や血小板凝集抑制作用、血管平滑筋細胞増殖抑制作用などを有しています。
エンドセリン1(ET-1)は、血管収縮因子の一つです。
血中NOの低下やET-1の増加が、血管内皮機能障害や高血圧において重要な役割を果たしています。
伝統的な地中海食では、高血圧改善作用、降圧作用が認められます。
今回の研究では、
地中海食の摂取と、血圧調節に関連する因子(NO、ET-1、ET-1受容体)への影響が検証されました。
具体的には、
中等度の高血圧を有する非喫煙者の女性を対象に、地中海食の1年間投与試験が行われました。
介入食は、
・地中海食+エクストラバージンオリーブオイル投与群、
・地中海食+ナッツ(種実)投与群
・対照群(低脂肪食)
の3群です。
(各群30名)
血圧、NO、ET-1、および酸化ストレス障害関連マーカーの遺伝子発現が測定されています。
解析の結果、
試験開始時において、
血中NO値と、収縮期血圧/拡張期血圧との間には、有意な負の相関が見出されました。
NO値と、ET-1値についても、有意な負の相関が見出されています。
次に介入後では、
地中海食の介入の両群とも、拡張期血圧の有意な低下が見出されました。
地中海食+エクストラバージンオリーブオイル投与群では、
介入後に、
NO代謝物と、収縮期血圧あるいは拡張期血圧との間に有意な負の相関が見出されました。
(p = 0.033 and p = 0.044,)
また、地中海食+ナッツ類の介入後では、
収縮期血圧の低下が、血中ET-1値の低下と関連していました。
(p = 0.008)
その他、
NO代謝物と血圧との相関に関連して、
eNOS、caveolin 2、ET-1受容体遺伝子の変化も認められています。
以上のデータから、
高血圧を有する女性では、
地中海食+エクストラバージンオリーブオイル、あるいはナッツ類の併用投与により、
NOやET-1、ET-1受容体遺伝子の調節を介した高血圧改善作用が示唆されます。
地中海食は、スペインやギリシャ、南フランスなど地中海地方の伝統食です。
野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。
地中海食は、健康増進や疾病予防に有用であることが知られており、多くの研究によってエビデンスが示されています。
地中海食やオリーブオイルの効能については、多くのエビデンスが報告されています。
地中海食で死亡率が半減する
低炭水化物(糖質制限)食と地中海食は低脂肪食よりも有効
オリーブオイルの摂取10gで全死亡率が7%低下
地中海食がメタボを抑制
バージンオリーブオイルとナッツ類を含む地中海食の抗炎症作用
バージンオリーブオイルの心臓病予防作用
オリーブオイルによる皮膚の老化抑制作用
地中海食による認知症予防効果
地中海食+CoQ10サプリによる抗酸化作用
超低炭水化物・地中海食による減量効果
地中海食による高尿酸血症リスクの低下
オリーブオイルによる動脈硬化抑制作用
バージンオリーブオイルによる骨代謝改善作用
オリーブオイルとナッツによる心血管リスク低下作用
伝統的地中海食による脂質代謝改善作用
オリーブオイルによる膀胱がんリスク低下
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