今日は移動日です。
シカゴ乗継なのですが、テレビで、シカゴが雪のため欠航続出というニュースを見ました。
今朝、空港のカウンターで確認したところ、天候は回復しつつあり、搭乗予定便は問題ないということでした。
さて、今日の私的なお勉強日記です。
今月の医学レビュー誌に、変形性膝関節症に対するグルコサミン・コンドロイチン・両者の併用に関して、有用性と安全性のレビューが報告されていました。
(
Sci Rep. 2015 Nov 18;5:16827.)
変形性膝関節症に伴う症状の改善には、
グルコサミン(グルコサミン硫酸塩、塩酸塩)が有用であり、最もエビデンスが豊富です。
今回の研究では、グルコサミン、コンドロイチン、2つの併用、あるいは、セレコキシブによる変形性膝関節症への有用性と安全性が検証されました。
(セレコキシブCelecoxib, 製品名セレコックスは、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)の1種です。)
具体的には、2015年2月の時点での主要医学データベース(PubMed, Embase, Cochrane Library)が検索され、
合計54試験、 被験者16,427名のデータが解析されています。
解析の結果、
グルコサミン+コンドロイチンの併用、
グルコサミン単独投与、
セレコキシブ投与は、
いずれも、偽薬投与群と比べて、疼痛改善や機能改善に関して、より有効でした。
特に、NSAIDsのセレコキシブが最も有効であり、
続いて、グルコサミンとコンドロイチンの併用群でした。
全ての介入群において
投与前と比べて、
介入後に、臨床的に有意な疼痛の改善が認められています。
ただし、
投与前と比べて、
関節機能に関して有意な改善が認められたのは、
グルコサミンとコンドロイチンの併用群のみでした。
また、
構造修飾効果 (structure-modifying effect)という点では、
グルコサミン単独投与群およびコンドロイチン単独投与群のいずれも、
関節間隙狭小化の有意な抑制作用を示しています。
次に、安全性に関して、
主要な3つの有害事象関連指標(有害事象による脱落、重症有害事象、有害事象を示した被験者数)は、5つの群間での有意差は見出されていません。
しかし、
メタ解析では、
セレコキシブ投与群において、
偽薬群に比べて、
消化器症状の有害事象が有意に高率でした。
以上のデータから、
変形性膝関節症の症状改善(疼痛軽減・関節機能改善)および構造機能改善効果といったグルコサミンとコンドロイチンの併用群による有用性と安全性が示唆されます。
変形性膝関節症の症状改善や予防方法として、下記の組み合わせが推奨できます。
抗炎症作用を有する機能性食品成分の豊富な食事
(オメガ3系脂肪酸、エクストラバージンオリーブオイル、ウコンなど各種のファイトケミカルなどを含む食事。)
運動療法による適正体重の維持と筋力・筋量の維持
抗炎症作用を有するサプリメントの利用、
(ウコン/クルクミン、ボスウェリア・セラータ/5-ロキシン)
変形性膝OAに対するサプリメントとしてグルコサミン、コンドロイチン、U型コラーゲン、の併用も可能です。
最近の研究では、次の報告があります。
変形性膝OAの疼痛に対してグルコサミン+コンドロイチンはセレコキシブと同等の効果
グルコサミン・コンドロイチンの関節裂隙狭小化抑制効果
グルコサミン・コンドロイチンによる関節軟骨保護作用@膝関節症
コンドロイチンによる変形性膝関節症改善作用
グルコサミンはNF-κBを抑制し抗炎症作用を示す
グルコサミン・コンドロイチン利用者は炎症マーカーが低い
グルコサミンによる寿命延長効果
グルコサミンはジアセレインと有効性が同じで、副作用が少ない:メタ解析
DHCでは、
関節機能訴求に関連したサプリメントとして、次の製品を扱っています。
パワーグルコサミン
極らくらく
らくらく(グルコサミン、コンドロイチン、II型コラーゲン、CBP、MSM(メチルスルフォニルメタン)、コラーゲンペプチド、ヒドロキシチロソール)
グルコサミン
コンドロイチン
グルコサミン&コンドロイチン
II型コラーゲン+プロテオグリカン
グルコサミンは、変形性膝関節症などの関節疾患に広く利用されているサプリメントです。
作用メカニズムとして、アミノ糖であるグルコサミンが関節軟骨の成分であることから、構成成分を経口摂取することによる直接的な修復機構が想定されていました。
一方、最近の研究では、グルコサミンやコンドロイチンは、情報伝達機構における調節因子であることが示されており、変形性膝関節症に対する改善効果のメカニズムとして、構成成分自体を直接摂取する作用というよりは、シグナル伝達物質を摂取することによる作用が考えられています。
膝OAなどの変形性関節症に対して、
サプリメントでは、
グルコサミンやコンドロイチンが最もエビデンスが豊富であり、欧州の学術団体EULARではグレードAの推奨になっています。
(一方、ACRではGAIT1のみを解析対象としたため、偽陰性データのバイアスによってネガティブになっています。)
2014年以降に発表された最新の研究―MOVES研究やLEGS研究--では、
グルコサミンやコンドロイチンの効果が示されています。
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